林:すごいですね、それは。演歌ばっかりですか。

島津:演歌ばっかりでした。歌番組がたくさんありましたし、大ヒット曲もいっぱいあった時代ですので。

林:演歌の黄金期ですね。

島津:ほんとにそうです。レコードを買わなくても、テレビとかラジオからずっと歌が流れているので、どの歌も歌詞が頭に入ってました。

林:12、13歳のころですか。

島津:いえ、まだ小学校1年生ぐらいでした。

林:ウソ! 小学校1年生で自分の冠コーナーを持ってたんですか?

島津:はい、その方のおかげで。

林:すごい! その映像、見てみたいな。きっと映像残ってますよね、テレビ本に。

島津:はい、あると思います。

林:「うたコン」でも「紅白」でもいいから、そのときの映像を後ろの大きなスクリーンで見せてほしいですよ。その後、地元で歌ってらして、スカウトされたんですか。

島津:そうなんです。長崎歌謡祭というのがありまして、全国から代表が選ばれて出てきて、そこでグランプリが決まるんです。熊本代表で出させていただいて、そのときにスカウトしていただきました。

林:デビュー曲が「袴をはいた渡り鳥」っていうんですよね。ということは、「涙を抱いた渡り鳥」(水前寺清子)のあの先生……。

島津:星野哲郎先生の作詞です。

林:でも、「袴をはいた渡り鳥」というタイトル、正直言って「エッ?」と思いませんでした? 「はい」とは言いづらいでしょうけど。

島津:アハハハハ。

林:「涙」と「袴」が変わっただけですよね。

島津:「抱いた」と「はいた」と。私、年齢的に「涙を抱いた渡り鳥」がよくわからなかったんですけど、「涙を抱いた渡り鳥」が、本当は「袴をはいた渡り鳥」だったんだと思います。そのタイトルだけが残っていて、先生がいつか「この子なら」と思った人に出会ったときにこのタイトルを使おうと思ったんだとおっしゃってました。

林:でも、失礼ですけど、そんなにブームにはならなかったんですね。

次のページ