河井克行前法相(右)と妻の河井案里参院議員 (c)朝日新聞社
河井克行前法相(右)と妻の河井案里参院議員 (c)朝日新聞社
河井選対にいたスタッフがウグイス嬢の取りまとめ役に送信したLINEのメッセージ
河井選対にいたスタッフがウグイス嬢の取りまとめ役に送信したLINEのメッセージ

 自民党の河井克行前法相の妻で、同党の河井案里参院議員の選挙事務所が2019年7月の参院選でウグイス嬢らに法定の上限を超える報酬を支払ったと報じられた問題で、広島地検が複数の運動員らから任意で事情聴取を開始、選挙事務所を15日、家宅捜索した。

【画像】河井選対にいたスタッフがウグイス嬢の取りまとめ役に送信したLINEのメッセージ

 昨年12月25日、クリスマスムードに包まれた広島で地検に呼び出しを受けていたのは、案里氏のウグイス嬢や選挙関係者らだ。

 本誌は取り調べを受けた選挙スタッフを直撃。その全容が明らかになった。

「今回の公選法違反疑惑、すべては、河井ルールからはじまっているのです」

 河井選対にいたスタッフのAさんはこう語り、自身のスマートフォンを取り出した。昨年5月21日に発信された、Aさんが7人のウグイス嬢の取りまとめ役・Bさんに送信したLINEのメッセージにこう記載がある。

<ギャラはどうなるか聞いておきます! 河井ルールで行ける様にしたいですねー>

「河井ルール」とはどんなものなのか?

「夫の克行氏の事務所でも、ウグイス嬢への日当3万円が支払われたことがありました。妻・案里さんの出馬の折、運動員を集めてほしいと言われ、経験が豊富なBさんに依頼。河井ルールの3万円か、法定額か、その打ち合わせをしたメッセージです」

 案里氏の選挙でも、「河井ルールで大丈夫です」という回答を得たという。

 Bさんがウグイス嬢に同5月23日に出したメールには「河井ルール」となり、<1日30000円です!!>と記されていた。それが公選法違反に該当すると、広島地検からAさんやBさん、ウグイス嬢たちが厳しく調べられているのだ。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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