100人の顔)星野リゾートの星野佳路代表(59) 「五輪は地方の魅力発信の好機」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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100人の顔)星野リゾートの星野佳路代表(59) 「五輪は地方の魅力発信の好機」

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浅井秀樹週刊朝日
ほしのよしはる/1960年生まれ、長野県出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、米国コーネル大学ホテル経営大学院修士課程修了。91年に星野温泉(現星野リゾート)社長就任。施設の所有と運営が一体になりがちな日本の観光産業のなかで、運営に特化している

ほしのよしはる/1960年生まれ、長野県出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、米国コーネル大学ホテル経営大学院修士課程修了。91年に星野温泉(現星野リゾート)社長就任。施設の所有と運営が一体になりがちな日本の観光産業のなかで、運営に特化している

日本旅館「星のや東京」の玄関の展示=東京都千代田区、撮影・多田敏男

日本旅館「星のや東京」の玄関の展示=東京都千代田区、撮影・多田敏男

「星のや東京」のお茶の間ラウンジ。せんべいなどのお菓子も食べられる=撮影・多田敏男

「星のや東京」のお茶の間ラウンジ。せんべいなどのお菓子も食べられる=撮影・多田敏男

高層ホテルがあるリゾナーレトマム=星野リゾート提供

高層ホテルがあるリゾナーレトマム=星野リゾート提供

「リゾナーレ熱海」のラウンジ=星野リゾート提供

「リゾナーレ熱海」のラウンジ=星野リゾート提供

「星のや」や「界」といったブランドで高級ホテルや旅館などを国内外で40施設運営する星野リゾート(長野県軽井沢町)。2020年は東京五輪・パラリンピックがあり、情報発信の好機とみる。

【写真】日本旅館「星のや東京」の玄関の展示

--観光産業では人材不足が深刻です。

 日本全体で人材をいかに確保するかという悩みを抱えています。どうすれば観光産業に優秀な人材が入ってくれるのかと、星野リゾートでは長らく考えてきました。

 それには一流企業並みの報酬を出していく必要があります。他の産業に報酬レベルで負けていては、優秀な人材を確保することができません。観光産業の生産性を上げいかなくては、良い労働環境を提供することができません。

 観光産業は今でも非正規雇用が7割を占めていると言われますが、星野リゾートはほぼ正社員で運営しています。正社員化と、他の産業に負けない労働条件で、人材確保が順調に進んでいます。そこが私たちの競争力だと思っています。社員の休暇数は他の産業に負けていません。年俸も他のホテル会社より良い水準だと自負しています。

 ゴールデンウィーク(GW)などに旅行者が集中するのは、観光産業が抱える季節性の問題です。繁忙期に対応できる人員で常に運営すると、閑散期に無駄が出てきます。閑散期の人員でやろうとすると、繁忙期にお客さまの満足度が下がってしまいます。観光需要を平準化することは大きなテーマです。

--平準化は簡単ではないですね。

 一つは日本人のお客さまとインバウンド(訪日外国人)をうまく組み合わせることです。国内と海外では休日が違いますし、海外のお客さまは滞在期間が長くなります。北海道のトマムにあるスキー場では、12月後半から翌年2月までホテルの稼働率が高くにぎわっています。週末は日本人、平日はインバウンドのお客さまにご利用いただいています。

 もう一つは、「リゾナーレ熱海」(静岡県熱海市)にたくさんお越しいただくお子さま連れのファミリーです。未就学のお子さまですと両親や祖父母の3世代旅行が多く、平日にも来てもらえます。平日に観光に行ける方々を組み合わせることで、需要を平準化できると考えています。

 観光需要の平準化を国策で進めてもらえば、観光産業を劇的に引き上げることができます。日本人による国内旅行消費額約20兆円の市場が祝日やGWに集中しないようにすれば、観光産業全体の生産性が上がります。より雇用が増え、収入が増加し、税収も拡大し、投資にもつながる可能性があります。


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