武井俊輔氏
武井俊輔氏
2020年の顔 1/2 (週刊朝日2020年1月3-10日合併号より)
2020年の顔 1/2 (週刊朝日2020年1月3-10日合併号より)
2020年の顔 2/2 (週刊朝日2020年1月3-10日合併号より)
2020年の顔 2/2 (週刊朝日2020年1月3-10日合併号より)

 元徴用工問題などで日本国内にも韓国に対する反感が強まるなか、自民党の武井俊輔氏のツイートが注目を集めた。今年8月19日、こう書き込んでいる。

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<来なくていい!と威勢良くいう方もいますが観光に深刻な影響が出ています。この厳しい時期の韓国人観光客の皆さんにはぜひ温かいおもてなしを>

 地元の宮崎交通など旅行会社に勤務してきた武井氏らしく、訪日観光客への「おもてなしの心」を訴えた。SNS上には共感の声が広がる一方、<韓国に屈するのか><来るだけ迷惑><土下座外交>といった書き込みも目立った。武井氏は続けてこうツイートした。

<韓国人観光客へのおもてなしについて、来なくていい、迷惑だなどと口汚い言葉の羅列は恥ずかしく暗澹(あんたん)たる思いがします。政治が難しい関係の中、自分のお金と時間を遣って、訪日して頂く方を歓迎すること、それが美しい日本ではないのではないのか、もう一度考えて頂きたいものです>

 メディアも含め、国をあげて“嫌韓”ムードとなっているが、持論を発信し続ける武井氏に改めて話を聞いた。

「私としては、ごく当たり前のことを言ったつもりです。ネットの中で同じような思考の人たちで固まり、相手を罵り合うような状況は非常によくないと思います。いま、韓国のことを罵れば称賛するような人たちはいるでしょう。リツイートされたり、『いいね』がたくさん付いたり。その時は気分がいいでしょうね。そういう中毒性みたいなものにハマらないように気をつけなければなりません。ファクトチェックの荒い情報にどんどんと乗せられてしまう危険性があります」

 国会でも在日コリアンに対するヘイトスピーチや、韓国や中国をあげつらうようなヘイト本の問題について取り上げ、次のように述べている。

<やはり穏やかに、相手をけなすというのは、そういう人ほど何か美しい日本とか言っているのを私は非常に疑問を感じるわけですけれども、そういう意味でも、穏やかに、やはり相手を敬うというのがまさに日本の美徳ではないかというようなことも思うわけです>(2018年4月6日・衆院内閣委員会)

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