理想は走行前のタイヤが冷えている状態で、エアゲージで空気圧測定するのがいい。走行するとタイヤが発熱し、空気圧が上昇する。最近はスタンドが少なくなっており、特に地方ではかなりの距離を走行する必要も出てきている。

 走行前に自分で空気圧を調整することもできる。必要なものは、エアゲージ、手押しポンプ式の自転車用空気入れ、変換アダプター(自動車タイヤのバルブは米国式で、一般的な自転車タイヤのものは英国式のため)。変換アダプターはホームセンターの自転車売り場などで200円前後。最近の自転車用空気入れは米国式バルブの自動車にも対応可能な装備のものがある。

 タイヤの定期点検では空気圧だけでなく、残り溝の深さや偏摩耗、傷など損傷の有無も確認したい。損傷は路面と接するトレッド部分だけでなく、タイヤの側面も確認する必要がある。

 空気圧は燃費にも影響し、日本自動車タイヤ協会は「タイヤの空気圧不足は不経済です」と呼び掛けている。空気圧不足は1リットルあたり4~7円も高いガソリンを使っているのと同じだという。タイヤ業界関係者はこう指摘する。

「ドライバーのみなさんは安いスタンドを探している方が多いですが、タイヤの空気圧を適正にするだけでもエコな運転になります」

 さらに大事なのは、タイヤには寿命があることを知ることだ。日本自動車タイヤ協会は、購入して5年を経たら販売店などの専門家に見てもらうことを勧める。製造後10年以上のものは交換したほうがいいという。

 最近はシニアドライバーが増えている。19年版の交通安全白書(内閣府)によると、65歳以上の免許保有率は、10年前の42%から52%に拡大している。タイヤ点検などが苦手なシニアは有人スタンドなどの専門家に点検をお願いするといい。

 安全性や燃費にも影響するタイヤの定期点検を怠らず、安全運転を心掛けたい。(本誌・浅井秀樹)

週刊朝日  2020年1月3‐10日合併号