■テニス、期末試験 充実の愛子さま

 10年前の雅子さま46歳の誕生日の文書には、<私も体調の許す範囲で出席させていただくことができましたことをとてもうれしく思っております>と書かれていた。ご体調については、<今年も引き続きお医者様のご指導の下で、心身の快復のために一つ一つ努力を重ねてまいりました>──。

 当時の雅子さまは、ご自分の病気からさまざまな混乱を招き、皇太子さま(当時)に多大なご迷惑をおかけしている、と心を痛められているといわれた。

 雅子さまの奮起は、目を見張るものがあった。

 2009年の雅子妃は、1月の皇霊殿の儀では皇后美智子さまのご名代を務められた。宮中祭祀へ復帰されたのは、5年3カ月ぶりのことだった。3月にはお一人での公務も3年ぶりに務められた。

 東宮御所の中でのご進講も増えて、両殿下は国際情勢や経済問題などにもご関心を寄せられた。雅子さまは、かねてODAなどの経済協力や開発途上国についてご関心を寄せられていたため、ご進講前から皇太子の説明をよく聞かれて資料も十分に読まれていたという。

 一方、メディアでは「廃太子・別居・離婚」という文字が飛び交うようになっていた。

 そんな渦の中に巻き込まれないように、こうした心ないメディアの記事を目にしない時期もあったといわれた。

 こうした治療環境は実を結んで、これまで多くの人と接することがご病気の性質から苦手と言われていた園遊会やお茶会にもご出席できるようになられた。

 皇后雅子さまにとって、陛下はもちろんのこと、愛子内親王のご成長も心の支えになっておられるという。

 12月1日で18歳になられた愛子さまは、上皇、上皇后両陛下にご挨拶のため吹上仙洞御所に上がられて、温かいお祝いの言葉を頂いたという。

 学習院女子高等科で充実した学校生活を送られている愛子さまは今、期末試験に取り組まれている。秋にはテニスの腕前も上がったそうだ。

 今年最後に天皇ご一家が楽しみにされているのが、冬の星座をご覧になることだ。問題はお忙しい中で、天体観測の時間がつくれるかどうかだという。実現すれば、ご一家は冬の空の下でどのような願いをなさるのだろうか──。

週刊朝日  2019年12月20日号より抜粋