「祝賀御列の儀」では沿道の声援に涙ぐむシーンも (c)朝日新聞社
「祝賀御列の儀」では沿道の声援に涙ぐむシーンも (c)朝日新聞社
18歳の誕生日に上皇ご夫妻へのあいさつに向かう愛子さま (c)朝日新聞社
18歳の誕生日に上皇ご夫妻へのあいさつに向かう愛子さま (c)朝日新聞社

 12月9日に56歳の誕生日を迎えられた雅子さま。令和の皇后として5月から始まった即位関連の行事にすべて臨席され、“輝き”を取り戻された。ただ、医師団見解によると、「大きい行事の後、お疲れがしばらく残られることもある」という。雅子さまの今後は……? 長年取材を続けるジャーナリスト、友納尚子氏が寄稿する。

【写真】18歳の誕生日に上皇ご夫妻へのあいさつに向かう愛子さま

 皇后雅子さまのご療養生活は、16年になろうとしていることを忘れてはならない。医師団見解でも<本年は、天皇陛下の御即位を伴う諸行事を中心に、特に強い責任感を持ってお務めに取り組んでこられましたが、これをもって過剰な期待を持たれることは、今後のご快復にとって、かえって逆効果となり得ることを理解いただければと思います><これまでと同様、周囲の方々の理解と支援をお受けになりながらご治療を続けていくことが大切>

 華やかに笑って手を振られているお姿からは、想像もつかないだろうが、その陰で皇后雅子さまは病と向き合われてもいた。

 よく「皇后になられたことによって、雅子さまは自由にキャリアを生かしてお務めができるようになった。このことがご回復に向かわれた大きな原因ではないか」という見方があるが、それは少し違うような気がする。

 皇后雅子さまは、皇后陛下としての多くのお務めを無事に果たされたいというお気持ちで過ごされているという。ご病気の雅子さまにとって、自由などという余裕はないのだ。

「皇后陛下になられても、東宮妃時代と同じように一歩一歩着実に進まれているのです」(宮内庁幹部)

 雅子さまは、療養生活に入られてからも、東宮医師団の治療のもと、ご体調によりできる範囲で公務を続けてこられてきた。それは時に“ドタキャン”“ドタ出”と批判されてきたが、マスコミに何とたたかれようとも、今できる限りの公務を果たされることだけに集中なさってこられたという。

 それでも東宮御所の中ではお疲れが出ることもあり、皇太子妃としての自信をすっかりなくされていたこともあった。

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