全日本新人王を狙う亀田京之介選手=協栄ボクシングジム提供
全日本新人王を狙う亀田京之介選手=協栄ボクシングジム提供
3本のベルトをかけて弟の大毅(左)、和毅(右)と喜ぶ亀田興毅選手=2010年 (c)朝日新聞社
3本のベルトをかけて弟の大毅(左)、和毅(右)と喜ぶ亀田興毅選手=2010年 (c)朝日新聞社

 ボクシング界で、再び「亀田」の名が脚光を浴びている。

 プロボクシング選手の亀田京之介が、全日本新人王決定戦(フェザー級)に12月22日に挑む。所属していた協栄ジムの金平桂一郎会長が9日に休会届を提出し、プロ活動休止となっていたが、花形ジムに“1試合限定”で移籍し、決定戦に臨む。東日本新人王トーナメントを11月3日に制し、西軍の王者と戦うのだ。

 京之介は、いずれもボクシング世界王者になった興毅、大毅、和毅(ともき)の亀田3兄弟のいとこで21歳。亀田ファミリーらしく“ビッグマウス”であおるのが持ち味で、愛称は「浪速の狂拳」。亀田ファミリーとしては初の全日本新人王に期待が高まる。

「ボクシング・マガジン」「ボクシング・ビート」など専門誌の編集長を歴任し、50年以上取材してきた前田衷さんは、京之介をこう評価する。

「ずば抜けて強いとは言えないけれど、いい選手です。ボクシングセンスの良さは新人離れしている。足が使えてパンチもあってバランスが良く、優れた選手が備えるべきものを持っている。新人の場合、気持ちが試合を左右することが多いんですけど、彼は自信がある。『亀田家に生まれてきたからには(プレッシャーは)仕方ない。それをいい方に変える』などと本人も言っていました」

 東日本新人王決勝では、それまで5戦無敗のサウスポー、今成太希(三迫)と対戦。3回1分10秒でTKO勝ちし、大会最優秀選手(MVP)に選ばれた。試合後のインタビューでは、興毅の定番フレーズ「どんなもんじゃい!」が飛び出した。
 
「あの試合は、本人のベストだったんじゃないかと思います。無敗の相手を右カウンターで倒してダウンを奪ったあたり、なかなか新人のボクシングではないなと感じました」(前田さん)

 SNS上での挑発ぶりでも注目を集める。ツイッターの自己紹介は、「あ、どうもボクシング界で嫌われ者の亀田京之介です」。11月12日には次のようにつぶやいた。

「k1みたいにボクシング盛り上がればいい そもそも人気な選手も少ない。アベマでも放送されない。誰も見てないcsみたいな所でしか放送しやん 盛り上げる気あんのかボケ しょーもないテレビやってるなら ボクシングをもっともっと放送して 人気出さした方が良いと思うな! これから俺の時代やで」

 当然、批判も浴びているが、結果としてボクシング界の活性化につながっているようだ。

次のページ
“チャンピオンの登竜門”で実力を発揮できるか