岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、スリランカ・ゴールの「そろそろ時間か猫(にゃん)」です。

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 案山子(かかし)のように棒の上でじっと待ち、ひょいっと竿を引き上げると、小ぶりの魚が跳ねる。スリランカ南部の伝統漁スティルトフィッシングは、海に突きさした杙(くい)に器用に腰かけ魚を釣る。気温が30度を超えても、潮が満ちても、漁師は動じない。

 対して、漁師のご主人を待つ子猫はヤシの木に登ったり、岩陰をうろちょろしたりと落ち着かず。「そろそろ、おこぼれにありつける時間かな」と、期待に胸を膨らませているのだろう。ご主人を横目に見ながら、波打ち際を行ったり来たり。

デジタル岩合
http://www.digitaliwago.com/

週刊朝日  2019年10月18日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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