【往復書簡】瀬戸内寂聴「葬儀委員長は横尾忠則さんしかありません」 (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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【往復書簡】瀬戸内寂聴「葬儀委員長は横尾忠則さんしかありません」

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瀬戸内寂聴(せとうち・じゃくちょう)/1922年、徳島市生まれ。73年、平泉・中尊寺で得度。『場所』で野間文芸賞。著書多数。『源氏物語』を現代語訳。2006年文化勲章。17年度朝日賞。

瀬戸内寂聴(せとうち・じゃくちょう)/1922年、徳島市生まれ。73年、平泉・中尊寺で得度。『場所』で野間文芸賞。著書多数。『源氏物語』を現代語訳。2006年文化勲章。17年度朝日賞。

横尾忠則(よこお・ただのり)/1936年、兵庫県西脇市生まれ。ニューヨーク近代美術館をはじめ国内外の美術館で個展開催。小説『ぶるうらんど』で泉鏡花文学賞。2011年度朝日賞。15年世界文化賞。(写真=横尾忠則さん提供)

横尾忠則(よこお・ただのり)/1936年、兵庫県西脇市生まれ。ニューヨーク近代美術館をはじめ国内外の美術館で個展開催。小説『ぶるうらんど』で泉鏡花文学賞。2011年度朝日賞。15年世界文化賞。(写真=横尾忠則さん提供)

 口述筆記など生まれて一度もしたことがないので難しいというか、しゃべり続けるのが、かえって病人には体力がいります。またしゃべり言葉と書き言葉はセトウチさんには変りはないと思いますが、僕にはやりづらいです。いっそのこと関西弁でしゃべった方がええような気がします。次の口述筆記は関西弁にします。2人共関西弁ができるので、きっと面白いでしょう。でもセトウチさんの関西弁は王朝のみやびの高級お公家関西弁。僕は、大阪の河内出身の荒くれ者の言葉か、または西脇弁のへなへなした骨のないタコの足のような話しかできません。

 でも関西弁はどこか身体的なものとひとつになった言葉ですから、どうしても肉体的パフォーマンスを伴います。身体をグネグネタコみたいに動かしながらしゃべるさんまや鶴瓶みたいです。関西人はラテン系で、いきあたりバッタリなところがあります。あまり、色々計画などたてません。なるよーにしかならへんで、しゃーないやんけというあの刹那主義です。その内元気になります。ホナまた。

■瀬戸内寂聴「葬儀委員長はヨコオさんしかありません」

 ヨコオさん。第八回と第九回のヨコオさんのゲラを、まなほが怖い顔をして、私がだらしなく朝から横になっているベッドに運んできて、ゲラで私の顔をパンパンと叩き、

「ホラ! ヨコオさんの律義なこと! 病人のヨコオさんに恥しいと思いなさい! このなまけ者め!」

 と、尚もパンパンと叩きつづけます。

「そんなこと、胎教に悪いぞ!」

 と、尚も寝ころんだままの姿勢で私がどなってやります。いきり立っていたまなほは、たちまち、シュンとおとなしくなります。

 つい、この間、六月に結婚式をあげた彼女は、もうお腹に赤ちゃんがいるのです。ウエディングドレスを二度、お色直しをした結婚式のまなほは、それは美しかったですよ。

 花婿は、まなほより三歳若いまだ二十代のサラリーマンで、舞台の人になった方がいいようなイケメンです。お腹の赤ちゃんは男の子だそうで、鼻が高いそうです。クリスマス前に産まれるので、クリステルさんより一ヶ月ほど早いお産みたいです。


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