マスタングを演奏するChar。このギターでCharはギタリストとしてのキャリアを積み上げてきた。
マスタングを演奏するChar。このギターでCharはギタリストとしてのキャリアを積み上げてきた。
Char MUSTANGは CharのレーベルZICCAにて、特別限定6色展開販売される。ボディカラーは、オリンピック・ホワイト、濃藍、墨色、緋色、支色、青磁色の6色。http://zicca-records.net/mustang2020/11月23日から全国ツアーがスタート。https://top.zicca.net/
Char MUSTANGは CharのレーベルZICCAにて、特別限定6色展開販売される。ボディカラーは、オリンピック・ホワイト、濃藍、墨色、緋色、支色、青磁色の6色。http://zicca-records.net/mustang2020/

11月23日から全国ツアーがスタート。https://top.zicca.net/

 ギタリストのCharが楽器の名門ブランド、フェンダーと提携して新型マスタングのシグネイチャーモデル「Char MUSTANG」を開発した。そもそもマスタングは、Charが10代から愛用しているモデルだ。

「実物のマスタングを始めて見たのは8歳のころ。銀座の山野楽器でした。あのころの僕は、銀座通りを新橋方面から日本橋方面へ向かって楽器屋さんをのぞくのが最大の楽しみの1つでね。まずヤマハ銀座店があって、アンクルという小さいけれど外国製の珍しい楽器を置いている店があって、銀座4丁目の交差点を渡ると山野楽器、そして銀座十字屋……。マスタングは山野のショーウインドウに飾られていました。メタリックブルーにブルーのラインがきれいでね。これがフェンダーかあー、と眺めていました。まだフェンダー・ジャパンがない1ドル360円時代ですから、ものすごく貴重なギターです。憧れました」

 高校時代にプロになったCharがレコーディングのギャラを貯めて最初に手に入れたフェンダーのギターは、ストラトキャスターだった。テレキャスターとともに、フェンダー社の代表的なモデルだ。しかし、買って1年ほどで盗まれてしまう。19歳のときだった。

「ものすごいショックでした。落ち込んでいると、外国人の友だちから、広尾のガレージセールでフェンダーのギターがたった6000円で売りに出ているという情報が入った。帰国する金持ちのアメリカ人が家財を処分していたんです。そのギターがマスタングでした。すぐに訪ねて、譲ってもらいました」

 それから40年以上、Charはマスタングを弾き続けている。今では、Charの代名詞ともいえる、ギタリストとしてのキャリアを通しての“相棒”だ。

「マスタングはフェンダーのスチューデントモデル。子どもでも扱えるように、ショートスケールでつくられています。だから、体のでかいアメリカ人やイギリス人よりも日本人が持つほうが、見た目がいいんです。ただし、ストラトキャスターやテレキャスターと比べると、つくりがあいまいというか、扱いが難しいギターではあります」

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神舘和典

神舘和典

1962年東京生まれ。音楽ライター。ジャズ、ロック、Jポップからクラシックまでクラシックまで膨大な数のアーティストをインタビューしてきた。『新書で入門ジャズの鉄板50枚+α』『音楽ライターが、書けなかった話』(以上新潮新書)『25人の偉大なるジャズメンが語る名盤・名言・名演奏』(幻冬舎新書)など著書多数。「文春トークライヴ」(文藝春秋)をはじめ音楽イベントのMCも行う。

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マスタングの特徴とは?