「年上の人と付き合おう」帯津医師が実感した「先輩のありがたさ」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「年上の人と付き合おう」帯津医師が実感した「先輩のありがたさ」

連載「ナイス・エイジングのすすめ」

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帯津良一週刊朝日#帯津良一
帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など多数の著書がある

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など多数の著書がある

五木寛之さん (c)朝日新聞社

五木寛之さん (c)朝日新聞社

 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。老化に身を任せながら、よりよく老いる「ナイス・エイジング」を説く。今回のテーマは「年上の人と付き合う」。

【写真】五木寛之さん

*  *  *
【ポイント】
(1)いくつになっても年上の人に学ぶことは大きい
(2)年上の人と付き合い、自分はまだまだだと知る
(3)先輩のありがたさが心に響く

 私がまだ79歳だった頃のことです。ある雑誌の新年の言葉に、

「今年はいよいよ傘寿である。死ぬ日がいつ訪れて来るかわからない。いつでも(死に向けて)加速できるように、日々身心を調えておきたい」

 と書きました。正直な気持ちでした。そろそろ、死に時が来るかなという思いだったのです。

 ところが、それからしばらくして、女優、司葉子さんのご主人で元経済企画庁長官の相沢英之さんと対談しました。当時、相沢さんは96歳。私より17歳年上でした。初めてお会いしたのですが、驚きました。

 まず顔の艶がいい。歩き方が大股でリズミカルなのです。お話ししてみると、しゃべられることにまったくブレがない。大蔵省のエリートだった頃の頭の冴えがそのままです。

 さらに、若くて美人の秘書を後に従えていらして、対談が終わると、近くの寿司屋に2人でさっと入られた。うらやましい限りです。

 本当に、その96歳のお姿に圧倒されました。相沢さんに較べれば、私などまだまだひよっこだと思いました。死後の世界に向かって加速するなどと、偉そうなことを言わずにひよっこならひよっこらしく、おどおどと生きてもかまわないという気持ちになったのです。つまり論語でいう「四十にして惑わず」ではなく「八十にしてなお惑う」ということです。そう思うと逆に80歳代への展望が開けてきました。やはり、いくつになっても、年上の人に学ぶことは大きいのです。

 五木寛之さんも私より4歳年上です。だいぶ前になりますが、ご一緒に対談本を3冊ほど作りました。3時間の対談の後半は寿司屋さんに移動して、酒付きでというのがやり方でした。私の前には2合ほど酒が出てきます。五木さんは小さいグラスに一杯だけ。4~5口飲めばお終いです。それを五木さんは一口飲むごとに、「旨いなあ」と歓声を上げるのです。


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