89歳ベンチプレス女王ら、高齢者アスリートに学ぶ健康長寿法 (1/5) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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89歳ベンチプレス女王ら、高齢者アスリートに学ぶ健康長寿法

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亡き夫からの助言に従い、ジムでは小奇麗なウェアをまとうよう心がけている(撮影/菊地武顕)

亡き夫からの助言に従い、ジムでは小奇麗なウェアをまとうよう心がけている(撮影/菊地武顕)

6月3日、日本武道館での全日本大会85歳以上の部に出場。決勝で見事に面を決めた(撮影/菊地武顕)

6月3日、日本武道館での全日本大会85歳以上の部に出場。決勝で見事に面を決めた(撮影/菊地武顕)

 89歳にして45キロのバーベルを持ち上げる女性。初めて日本一に輝いた87歳剣士。驚異の高齢者アスリートの心身を支える秘密を一挙公開!

【日本武道館での全日本大会(剣道)85歳以上の部で優勝した平山四郎さん】

■ベンチプレスの絶対女王、秘訣は乙女なココロにあり

 筋骨隆々の男性に交じって、身長156センチの女性がウェートトレーニングに励んでいる。ここは茨城県水戸市にある「OLIVA・ボディビル&フィットネスジム」。奥村正子さんは背筋がまっすぐ伸び、ウェアがよく似合う。若々しい89歳である。

「一昨年は60キロを挙げることができたのに、今年は良くても45キロくらい。年々落ちるのは当たり前でも、やっぱり悔しい。自分に負けたくないから、しっかりやらないとね」

 ベンチプレス(ベンチに横たわってバーベルを挙げる)を終えた奥村さんは、記者の姿を認めるや開口一番そう言った。

 女子ベンチプレス70歳以上の部の世界チャンピオンである奥村さんは、このジムで週2回鍛えている。

 72歳のとき、交通事故にあった夫のリハビリに付き合う形でジムに通い始め、ベンチプレスと出会った。「努力すると、挙がる重量が500gずつ増えていくでしょう。全部数字に出るのでやりがいを感じて」のめり込んでいく。

 10年後の2013年。世界選手権に初出場して優勝を遂げた。以後、今年の大会を含め5度も世界一の座に就き、絶対女王として君臨している。

 大会での部門は「70歳以上」。つまり奥村さんは、自分より20歳近く年下の選手をも上回る成績で優勝を続けているのだ。「私は大会に出場する選手の中では一番年上。それでも優勝する。この地位を譲りたくないんです」と競技へのモチベーションは高い。

 一緒にトレーニングを積んできた夫をがんで喪(うしな)ったが「主人には毎日、『私、寂しいわ。あなたも寂しいでしょう。でもね、迎えには来ないでね』って言ってるの」と笑う。

 長生きを望むのは、生まれ育った神奈川県横浜市で戦時中に大空襲を経験したからだ。


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