平成生まれの国学院久我山・尾崎監督の涙 目指すのは何度でも校歌を歌えるチーム 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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平成生まれの国学院久我山・尾崎監督の涙 目指すのは何度でも校歌を歌えるチーム

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田中将介週刊朝日
国学院久我山の尾崎直輝監督(C)朝日新聞社

国学院久我山の尾崎直輝監督(C)朝日新聞社

九回裏2死三塁、国学院久我山の代打・須田は左翼線に適時二塁打を放つ(C)朝日新聞社

九回裏2死三塁、国学院久我山の代打・須田は左翼線に適時二塁打を放つ(C)朝日新聞社

 平成生まれの青年監督の挑戦が終わった。

 13日の第101回全国高校野球選手権大会2回戦で、29歳の尾崎直輝監督が率いる国学院久我山(西東京)は、エース・高下耀介が初回から敦賀気比(福井)に打ち込まれ、3―19で姿を消した。

「全く歯が立たず、情けなくて悔しい」

 高下は涙を流しながらこう語った。

 圧倒的な力の差だった。

 22安打19得点の猛攻を浴びた。一方、1回戦(8日)の前橋育英戦で15安打した国学院久我山は、この日も9安打を放ったものの、つながりを欠いて3得点に終わった。

「初回にすぐ2点を返したのはこのチームの力。終盤勝負に持ち込みたかったが、そこに持っていけなかったのは監督の力のなさ。敦賀気比さんの打者が一枚上手だった」

 尾崎監督は試合後のインタビューでこう悔しさをにじませた。

 ただ、尾崎監督にとっても初めての大舞台。堂々たる戦いを見せたと言える。

 同校は1979年の選抜大会で甲子園初出場を果たして以来、今大会が春夏通じて6回目の甲子園。そして初戦で甲子園優勝経験のある前橋育英を逆転し、甲子園初白星を挙げた。

 しかし、この日の試合後は、初戦とはうって変わって、尾崎監督に笑顔はなかった。宿舎に戻っても、表情は険しかった。

 試合後のインタビューでは、涙をこぼす場面があった。思いをはせたのは、高下を継いだ問矢大雅、斎藤栄紀ら、控え選手たちのことだ。

 九回、17点差がついた最後の攻撃の前に円陣を組んだ。

「アルプスにはこれだけ応援してくれる人たちがいる。最後まで戦おう」

 願いは通じた。2死から、1番・西川新が安打で出塁すると、今大会初打席となる代打・須田旭が適時二塁打を放った。最後まで諦めない姿勢を選手たちが見せた。

「レギュラーメンバーの裏で、いつでも試合に出られるよう練習をしてきた選手たちがいた。出番が少ない中で、腐らずに本当によくやってきてくれた」

 結果を見れば完敗。試合後、泣き崩れる選手たちを率先して支えた。

「3年生の前向きな姿勢のおかげでここまで来られた。このチームならいいゲームができると、メディアの皆様に自信をもって言うことができた。目標を掲げて達成したことを自信にしてほしい」

 宿舎で、引退する3年生に対してこうあいさつした。

 早速、新チームは来週から合宿に入る。

 次の目標は「甲子園で校歌を歌う」から「何度でも校歌を歌えるチーム」だ。(本誌・田中将介)

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