“経歴リセット”で楽しく 「年金ちょい足しワーク」広がる (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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“経歴リセット”で楽しく 「年金ちょい足しワーク」広がる

首藤由之週刊朝日#シニア#働き方
ハローワークの高齢者向けの相談窓口 (c)朝日新聞社

ハローワークの高齢者向けの相談窓口 (c)朝日新聞社

 百貨店に車で来た来店客が最初に接するのが駐車場の案内係。15年以上働く70歳代の人が何人もいるといい、A男さんはやる気満々だ。

「私なんか、まだまだ駆け出しです。ベトナムへ行く道も捨ててはいませんが、駐車場で80歳まで働くのも一つの人生だと思っています」

 人生100年時代が現実になるにつれて浮上するのがお金の問題だ。「老後資金2千万円」問題では思わぬ誤解が生まれてしまったが、寿命が延びるとお金が余計にかかるのは厳然とした事実である。2千万円どころか、生活水準によっては3千万円でも足りなくなるケースもある。働いて収入が得られれば、その分貯金を取り崩さなくてすむ。

 シニアもできるだけ働く時代になってきているのだ。ただ、男性の場合は仕事を選びたがる傾向がある。大企業出身で管理職を務めた経験があったりすればなおさらだ。ところが、現役時代のキャリアを生かせる仕事に就こうとすると、他人と差別化できるスキルが求められる。ハードルは一気に高くなり、決して誰でもできるわけではない。

 シニアの働き方事情に詳しい日下部理絵さんが言う。

「大多数の人たちは、これまでと違う世界で働くことになります。そうすると、どうしても、これまでのキャリアを一度リセットする必要があります」

 日下部さんは元々はマンション管理の専門家。「マンション管理員」がシニアの仕事として人気化したことで、この世界に足を踏み入れた。シニアの就職支援をする各種講座の講師を重ねるうちに「教え子」たちがいろいろな業界に散らばり、事情に精通するようになった。今後は「シニア再就職アドバイザー」としても活動するつもりだ。

 それはともかく、キャリアをリセットして意識を変えるという意味では、A男さんのケースは理想的と言っていい。新しい仕事に取り組むことにちゅうちょがないし、働く姿勢にかつての管理職だったころの姿もない。

「どんな職種が希望かと聞くと、『管理職』と答える人がいまだにいます。駐車場の仕事と聞いた時点で怒って帰っちゃう人もけっこういます」(シルバーワーク中央の相談員)


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