松原:立憲の国会通信簿はE判定ですね。

御厨:枝野さんの小さな幸せは、国民にとってちっとも幸せではありません。

松原:国民民主党の玉木雄一郎代表とは御厨さんは何度も話をされています。

御厨:彼はどう見たって、自民党から出るのがぴったりくる人。玉木さんには、私が「時事放談」(TBS系)の司会をやっているころ、出演してもらったけど、ひとことで言えば、余裕がない。明日、予算委員会で何か発言しなきゃいけないというときには、それで頭がいっぱいのように見えた。スケジュール以外のことにまで手がまわらないんだよ。

松原:玉木さんは財務省出身で、顔もいいけど、存在感が希薄ですね。

御厨:しゃべっていることが野党というより、官僚の代弁のように聞こえる。彼の理論はわかりやすいんですよ。けれど、国民民主って何ですかって言ったときに、アッとなっちゃうところがある。頭の切り替えがよくできていない。国民民主の通信簿は「採点不能」です。

松原:日本における中道右派は今、日本維新の会ですね。でも、維新の特徴は下品。トンデモ発言の丸山穂高議員とか、維新を除名されたとはいえ、いかにも維新という個性はある。この存在感は、国政の政党としてはいかがなものか。採点はEです。

御厨:旧民主党にとって必要なのは、さっき松原さんがチラッと言ったけれど、本当の意味で反省すること。彼らが政権時代、官僚と一緒に出した政策は必ずしも国民にそっぽを向かれるようなものではなく、今の時代にも通じるような斬新なものもたくさんあった。安倍政権は民主党政権の政策を上手に引き継いで、次々と実現させている。

松原:安倍さんは何でもあり。それで野党も反対しにくい。今国会で政府は54くらい法案を通しているんだけど、内容が子育て支援とか子供の虐待防止とか、野党は反対できないようなものばかり。

御厨:そう、そこが安倍、菅官(義偉)房長官のコンビの巧みなところ。菅さんならやってくれると官僚がわかっているから、お膳立てして、次々と持っていく。

次のページ