松原:安倍さんが一番、長い時間をかけて公明党を潰している感じですね。

御厨:ずっと抱きつきスリみたいなもんですね。公明党が存在しているだけでいいとするならば、通信簿はDだな。

松原:共産党は?

御厨:わが国会通信簿では、共産党という党名ではダメだ、党名を変えよと長年言っている。私は、本当の意味の開かれた政党にすべきだということを言って、共産党の志位和夫委員長から「それだけは絶対にやらない」と言われた。

松原:ははは。

御厨:党員が年を取ってきているし、若い人がほとんど入らない。青年部と名乗って出てきたら40代だったり。赤旗を配っているのがもう70代のおじさんだったりするわけです。そういう状態ではなかなか厳しいと思うのでD。

松原:山本太郎のれいわ新選組はみんなおもしろがってますね。比例から出た安冨歩・東大教授は、あの世代の学者ではエースですよ。ビジュアルはトンデモないが、偉いんですよ、彼。

御厨:ちょっと、化けるにしても化け方が遅すぎた。風を起こすには彗星のように現れる輝きを持った人が必要だ。かつての小沢一郎がそうだったけど、山本太郎に果たしてできるのだろうか。れいわの通信簿はCはやりすぎなのでDだね。

松原:社民党はもはや存亡の危機です。採点不能。

御厨:安倍官邸はドラマ性は低いから通信簿はCだな。二階俊博幹事長が率いる自民党は官邸と一体のような存在だから、Cマイナス。

松原:それより上は無理ですね。安倍さんを官邸から追い出すような政変も党内では起きないでしょう。

御厨:まぁ、まだ安倍一強というのがしばらくは続くでしょうな。安倍さんがいなくなれば、麻生(太郎)さん、二階さん、菅さんもいなくなる。そしていずれ、誰もいなくなってしまったりして……。

(構成/本誌・上田耕司)

週刊朝日  2019年8月2日号

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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