田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数 (c)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る
イラスト/ウノ・カマキリ

 ジャーナリストの田原総一朗氏は、現在の“自民党の大問題”を指摘する。

【この記事の画像の続きはこちら】

*  *  *

 7月21日は参議院選挙の投票日だ。

 安倍自民党は2012年12月の衆議院選挙を含めて、5回の国政選挙を行って、いずれも勝っている。

 世界の先進国で、これほど安定している国はない。

 だが、率直に言って、森友・加計疑惑以後、安倍内閣の、野党、そして国民を軽んじる態度が目立つようになっている。

 森友学園に対する国有地の売却価格がなぜ8億2千万円も安くなったのか。もしも、昭恵夫人の関わりがないというのならば、その理由を国民が納得できるまで究明すべきである。決裁文書の改ざんについても、誰も責任を取っていない。

 外国人労働者を拡充するための、出入国管理法改正についても、衆参両院とも、国会審議を極端に短くした。まともに審議すれば、問題が次々に生じて収拾がつかなくなる、と自民党は捉えていたからである。何人もの自民党幹部が、そう語っている。それに、安倍首相は、外国人労働者を拡充しても、それは移民ではないと言っている。だが、「移民」と「移民ではない」との違いについては、まったく説明がない。

 おそらく、日本会議など、安倍首相支持団体の多くが、「移民」に反対しているためだろう。

 さらに、厚生労働省の毎月勤労統計に重大な不正があったことが露呈した。500人以上の従業員を抱えている企業はすべて調査することになっているのに、04年以降、東京都については調査を3分の1に減らしていたのである。どうやら、統計にかかわる職員が4割以下に減ったためのようだが、それならば、なぜ調査の対象を3分の1に減らすと明らかにしなかったのか。

 厚労省の何人かの局長に問うと、減らしたこと自体を知らなかったということで、こうした不正を犯すことが現在の省庁では当たり前のようになっているようだ。さらに、厚労省の勤労統計では、15年以降、官邸の意向で、アベノミクスの成果が上がっていると見せかけるために、統計の取り方を変えた、という疑惑が生じたが、なぜか野党もマスメディアも途中で追及をやめている。

次のページ