氷川きよし[COVER STAFF:撮影/松永卓也(写真部)、スタイリング/伊藤典子(hoop)、ヘアメイク/藤原羊二、アートディレクション/福島源之助+FROG KING STUDIO]
氷川きよし

[COVER STAFF:撮影/松永卓也(写真部)、スタイリング/伊藤典子(hoop)、ヘアメイク/藤原羊二、アートディレクション/福島源之助+FROG KING STUDIO]

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 今年、デビュー20周年の節目を迎えた氷川きよし。演歌歌手として不動の地位を築く一方、最近ではビジュアル系の衣装とメイクでアニメソングを歌い話題を集めるなど、新境地を開拓中だ。演歌歌手という従来の枠にとらわれず、挑戦を続ける現在の氷川の思いに迫った。

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──デビュー20周年を迎えた今の心境は。

 この20年間、ファンの方々に喜んでいただけることを目指して、チームで一丸となってやってきました。今の自分があるのは、応援し続けてくれたファンの皆さんのおかげです。デビュー時は22歳だった自分も、今年9月で42歳。これからの氷川きよしを表現するにあたり、もっと音楽の幅を広げていきたい。

──「ドラゴンボール超」(フジテレビ系)の主題歌(「限界突破×サバイバー」)を歌う姿など、最近では「ビジュアル系」と称されたり、新たな姿を見せています。

 とにかくやりたいことが多いんです。「平成の股旅野郎」というキャッチフレーズでデビューし、これまでは「やだねったら、やだね」(箱根八里の半次郎)、「ズンドコ」(きよしのズンドコ節)とか、「演歌歌手」というカテゴリーの中に収まっていないといけないという空気感があったと思うんです。もちろんそれはありがたいことなんですけど、自分はそれにそぐうために頑張ってきたというのが正直なところです。デビュー当時は、右も左もわからず、周りは大人だらけで、プロデューサーやスタッフを信じてやってきました。一流の人たちに育ててもらい、守ってもらって、今の氷川きよしがあるんです。

 デビュー20周年を迎えて、さらに飛躍を誓い、恩返ししていくためにも、これから自分ができること、やりたいことは何かと考えたときに、演歌を歌いながらも、いろんなジャンルの作品を歌っていきたい。僕自身はどこも目指してなくて、純粋に、自分が自然に表現したいと思えるものをやりたいと思ったんです。

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松岡かすみ

松岡かすみ

松岡かすみ(まつおか・かすみ) 1986年、高知県生まれ。同志社大学文学部卒業。PR会社、宣伝会議を経て、2015年より「週刊朝日」編集部記者。2021年からフリーランス記者として、雑誌や書籍、ウェブメディアなどの分野で活動。

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