「マッチしなかったとしても楽しめるので、今後も利用すると思う」と話すのは50代の参加者の男性。半年前に離婚し、子供は2人いる。大きな家に一人で住み、子供たちに会う回数も減り、さみしくなってきたのが参加した理由だという。

「これまで休日は子供と遊んでいたが、やることがなくなった。離婚した直後は前に進めなかったけど、令和になってから、新しい人と出会っていこうという気持ちになった」

 今回のイベントを主催したのは、結婚相談所や婚活パーティーを運営する株式会社「パートナーエージェント」。

 同社によると、イベントの延べ参加者数は、2018年3月期で31万4千人。また、婚活パーティーを掲載するポータルサイト「オミカレ」は、会員数が1年間でそれまでの約3倍となる17万人に到達するなど、婚活系サービスの伸びは顕著なのだ。

「50歳以上のオミカレ会員81・5%が『離婚経験あり』です。シニア層は主に再婚相手探しで、婚活パーティーに参加されるようです」(オミカレ担当者)

 厚生労働省の人口動態調査によると、12年に50歳以上で離婚した人は、男性で約3万6千人、女性で約2万3千人で、1970年の10倍以上に増加。また、65歳以上で結婚した高齢者は、90年は2千人弱だったが、13年は8千人弱と4倍に増えた。

 リクルートブライダル総研によると、17年に結婚した人の10.4%は婚活サービスで相手を見つけているという。

 前出のパートナーエージェント広報担当者は語る。「いきなり再婚を求めるのではなく、話し相手が欲しいというニーズもある。婚活を始めるきっかけとして、まずはパーティーからと思われる方は比較的多い。他社も含め特に50代のイベントは、早く埋まる傾向にある」

 独身を証明するにはどうするのか──。

 イベントによっては、「独身証明書」を出してもらうという。名前のとおり、独身であることを公的に証明する証書だ。国際結婚などの際に必要な「婚姻要件具備証明書」があるが、これとは異なる。独身証明書は、本籍がある役所での申請・手渡し、もしくは郵送で申請・入手可能だ。

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