女子レスリングも日本の稼ぎ頭といっていい。「霊長類最強女子」と呼ばれた吉田沙保里が引退したものの、50キロ級の須崎優衣、53キロ級の奥野春菜、57キロ級の川井梨紗子と人材は豊富だ。

「それぞれ世界選手権を連覇していますし、メダルは確実に取れるでしょう。柔道と同様、あとは何色のメダルを獲るか、というレベルにあります」(折山さん)

 躍進著しいのがバドミントンだ。桃田賢斗は違法カジノでの賭博スキャンダルを経て「一回り強くなった」と折山さんは分析する。

「それまでは才能だけでやっていてムラっ気もあったが、スキャンダルを機にフィジカルトレーニングでしっかり体を作りあげ、精神的にもたくましくなった」

 女子は多士済々。ダブルスは世界ランク1位の永原和可那・松本麻佑組を筆頭に5位以内に3組入るという充実ぶりだ。

 まとめれば、現時点で金メダル数は過去最多を上回れるが、目標30個は不調や故障に苦しむ選手の復活次第。金メダル“倍増計画”の成否やいかに。(本誌・秦正理)

※週刊朝日オンライン限定記事

著者プロフィールを見る
秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

秦正理の記事一覧はこちら