撮影/写真部・小山幸佑
撮影/写真部・小山幸佑
【今回のドナー(提供者)】
<br />二宮郁さん(女優、モデル)/1993年大分県生まれ。高校時代に出会った映画に衝撃を受け、女優の仕事に憧れを抱く。自分が生きる意味を模索した末、大学在学中に演技の世界に飛び込む。2014年にドラマデビュー。その後、ドラマを中心に活動し、主なレギュラー出演作品は、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」(NHK)、「忠臣蔵の恋~四十八人目の忠臣~」(同)、「孤食ロボット」(日テレ系)など。表現の幅を広げるため、18年からフリーランスとして活動。「週刊朝日」の書評欄の執筆や、YouTubeに個人チャンネル「二宮郁」を開設しセルフプロデュースで動画を配信中。本企画の撮影の様子も、本誌との「コラボ企画」として、同チャンネルで公開中! (撮影/写真部・小山幸佑)
【今回のドナー(提供者)】

二宮郁さん(女優、モデル)/1993年大分県生まれ。高校時代に出会った映画に衝撃を受け、女優の仕事に憧れを抱く。自分が生きる意味を模索した末、大学在学中に演技の世界に飛び込む。2014年にドラマデビュー。その後、ドラマを中心に活動し、主なレギュラー出演作品は、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」(NHK)、「忠臣蔵の恋~四十八人目の忠臣~」(同)、「孤食ロボット」(日テレ系)など。表現の幅を広げるため、18年からフリーランスとして活動。「週刊朝日」の書評欄の執筆や、YouTubeに個人チャンネル「二宮郁」を開設しセルフプロデュースで動画を配信中。本企画の撮影の様子も、本誌との「コラボ企画」として、同チャンネルで公開中! (撮影/写真部・小山幸佑)

【写真特集】「ヘアドネーション」をやってみた!髪を切る~ウィッグになるまでを写真で紹介

 長く伸びた髪をカットして寄付。それらを集めてメディカル・ウィッグを作り、毛髪に悩みを抱える子どもたちに無償提供するヘアドネーションが注目を集めている。

*  *  *

「ヘアドネーションをしなければここまで短く切らなかったかも。この髪が誰かのウィッグになると想像するだけで楽しいし、私自身も晴れやかな気持ちになれました」

 そう話すのは、ヘアドネーションに関心があった女優でモデルの二宮郁さん。4月末、4年間伸ばした髪をカットした。

 ヘアドネーションとは、「髪の寄付」という意味。寄付された毛髪でウィッグを製作し、脱毛症や乏毛症、小児がんや白血病の抗がん剤治療などによって毛髪に悩みを抱える子どもたちに無償で提供する仕組みを指す。1990年代後半に、アメリカで始まったとされる。

 日本で唯一、一般の人からの毛髪と募金等によってフルオーダーのメディカル・ウィッグを製作し、18歳以下の子どもたちに完全無償提供しているNPO法人が「ジャパン ヘア ドネーション アンド チャリティー(JHD&C/ジャーダック)」。代表理事で美容師の渡辺貴一さんがアメリカ修業中に活動を知り、帰国後、自身の店のオープンを機に、店で髪の寄付を呼び掛けたのが原点だという。

 活動がメディアなどに取り上げられ、認知度が向上。2015年に女優の柴咲コウさんが髪を寄付したことも大きな弾みになった。

「今では年間15万人の髪が集まり、約100人の子どもたちにウィッグを提供しています」(渡辺さん)

 提供先を18歳以下に限っているのには理由がある。小児用ウィッグは種類が少なく、高価なオーダー品に頼るしかない上に、成長過程で買い替えが必要となる。人毛100%にこだわるのも、本来の髪に近い質感が得られるからだ。

「一つのウィッグに必要な人毛は30~50人分。これらをトリートメント処理し、ウィッグを作るにはお金と手間がかかります。そのためこの活動は毛髪だけでなく、善意の募金に支えられています」(同)

 かつてはカラーやパーマをしたことがない髪が望ましい、白髪はだめ、といった制約があったが、今は設けていない。渡辺さんたちは、トリートメント処理をしっかり行うことなどで課題を乗り越え、より多くの人が参加できるよう、ハードルを下げてきた。

 活動は大きな広がりを見せているが、渡辺さんは「この活動が早くなくなればいい」と考えている。

病気などで髪を失うのは誰のせいでもない。髪のない人を奇異の目で見たり、いじめたりする社会のほうが間違っています。でも、私たちには活動を始めた責任がある。偏見のない世の中になり、活動が不要になるまで続けます」(同)

(取材・文/吉川明子)

週刊朝日  2019年5月31日号