劣化ウランは健康への影響も指摘されており、体内に取り込まれると腎臓の機能が低下するおそれがある。海外の戦争で使われた劣化ウラン弾は砲弾や銃弾として使用され、貫通力に優れ米国など複数国が保有しているとみられている。着弾・飛散したウランが、がんや白血病などを引き起こすおそれがあるとして深刻な問題になっていた。

 日本原子力研究開発機構によると、国内で保管されている劣化ウランは1万4000トンとされ、厳重に管理されている。

 ウランなどの核物質は法規制が始まった1960年ごろまでは国内で比較的自由に流通していて、電子顕微鏡の試料の染色剤や陶磁器の塗料に使われていた。

 環境省の外局の原子力規制委員会によると、天然ウランか劣化ウランを300グラム以下か、トリウム900グラム以下の所有者は、ほぼ全ての都道府県にいるとみられるが、「盗難などの恐れがある」として名称や所在地、所有量は公表されていない。

 一方これとは別に、ウラン300グラム超などを所有している場合、担当者の被ばく管理が義務付けられている。規制委で名称や所在する都道府県を公表しており、内訳はメーカーや電力会社、大学が多い。

 これほどの危険物を手に入れ、爆薬を製造した男子高校生は一体何者なのか。

「男子高校生は爆薬ETNの製造について、警察の調べに『知識としてETNの製造方法を知っておきたかった』と供述しています。実は男子高校生には爆薬製造に関する相談相手がいたのです。愛知県内の公園で爆薬TATPを爆発させたとして逮捕・起訴された19歳の元男子大学生と高校生は、SNS上で交流を続けていて、爆薬の製造法について情報交換するなどしていました」(警視庁捜査関係者)

「高校生ボマー」は、先輩の「大学生ボマー」から爆薬製造法を指南されていた可能性があるのだ。

 ちなみにTATPとは過酸化アセトンのことで、海外のテロリストが、しばしば用いる爆薬とされている。

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高校生が師と仰いだ大学生ボマーの正体