5月1日から「令和」が施行される。改元は当分の間、大きな話題となるだろう。しかしすでに改元便乗詐欺もいろいろ起きている。「元号が新しくなりますから、キャッシュカードを交換しなければなりません」「あなたのキャッシュカードは新元号に対応していない古いキャッシュカードなのですぐに変えてください」などと電話をかけてきて、その30分~1時間後くらいに銀行職員を名乗る人間がキャッシュカードを取りに来たり、あるいは「新元号に対応していないキャッシュカードを返送してください」という封書が来て、ご丁寧に暗証番号を記入する用紙と返信用封筒まで入っているという。

 だが、昭和から平成になったときのことをよく思い出してみてほしい。元号が変わるからキャッシュカードを新しくするなどという作業は誰もした覚えがないはずだ。「でも、もしかしたら、今回はそうなのかもしれない……」などと考えるのは気の回しすぎ。それでは相手の思うつぼなのだ。

 詐欺師はあの手、この手で忍び寄ってくる。現金やキャッシュカードはまず守らねばならないが、いまの時代はスマホも守ることが大切だ。「最近また、佐川急便を装った迷惑メールが増えているようです」と多田さんは指摘する。佐川急便をかたり、携帯にショートメールが送られてくる。そこに記載されているアドレスにアクセスすると、不正なアプリをダウンロードするように指示されたり、IDやパスワードを入力するように求められたりして、スマホが乗っ取られる恐れがある。

 またアマゾンなどをかたる架空請求も要注意だ。「やはりショートメールで、有料動画の未納料金が発生しているため本日中に連絡なき場合は法的手続きに移行すると脅す手口があります。電話番号が書いてあるので電話してしまうと、アマゾンギフト券などを買うように言われて、お金をだまし取られてしまうのです」(多田さん)
 身に覚えのないショートメールには反応しない。記載されている番号に電話などはしないことだ。

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