介護を見据えたアンダーヘアの脱毛は、女性だけでなく男性の希望者も増えているという。

 男性専門の総合美容クリニックのゴリラクリニックでは、2014年の開院時から18年までの4年間で、40歳以上の来院者が20倍近くに増えた。同クリニックが18年に実施したアンケートによると、男性の脱毛希望部位はヒゲがトップ、2位が肛門、3位以降は腹、男性器と続く。

 男性も女性と同様、前から見える部分と肛門周りに加え、希望に応じて男性器そのものや周辺に生えている毛を脱毛できるのだ。

 医療レーザーを使う脱毛では、脱毛したい部分にレーザーを照射して、発毛に必要な組織を破壊し、新しい毛が生えないようにする。女性なら大事な臓器はおなかにあるが、男性の場合、男性器や陰嚢にレーザーを直接当てる。機能に影響しないのだろうか。

 大地院長に聞くと、「レーザーによる熱エネルギーが届くのは皮膚表面から2~3ミリなので、心配はいりません」と話す。

 一般的に、脱毛は主に若い女性が行うイメージがあるが、シニア層がやっても特別なリスクやデメリットはないという。

 ただ、レーザーは黒い色に反応するようにできているので、白髪になってしまうとその毛はもう脱毛できない。介護脱毛を考えるならば、白髪になる前のほうがよいという。

 介護脱毛をするには、デリケートな部分にレーザーを当てるという。いかにも痛そうだし、そもそも場所が場所だけに恥ずかしい。いったいどんな格好で、脱毛されるというのか。疑問が次から次へと浮かぶ。

 モノは試しだ。実際にやってみよう。アラフォー世代の記者は幸い、まだ白髪はない。今のうちに挑戦しようと、リゼクリニックの協力を得て体験してみた。

 体毛には毛周期と呼ばれるサイクルがあり、成長期・退行期・休止期を繰り返す。レーザー脱毛はこのうち成長期の毛だけに効果を発揮するので、1回の照射ですべてを脱毛はできない。個人差はあるものの、2カ月以上の間隔をあけて5回の照射を繰り返せば、ツルツルの肌を得られるらしい。つまり、完全に脱毛するには、1年ほどかかる。

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