坂本と丸のコンビは吉と出るか、凶と出るか (c)朝日新聞社
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坂本と丸のコンビは吉と出るか、凶と出るか (c)朝日新聞社

 いよいよプロ野球のシーズンが始まった。最も注目されるのは巨人だろう。今季から3度目の監督に就任した原辰徳監督が大補強を敢行。2度の3連覇を達成するなどリーグ優勝7度、日本一に3度と実績十分の指揮官がどうチームを再建するかに注目が集まる。中でもカギを握るのが「2番問題」だ。

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 2017、18年に2年連続セ・リーグMVPを獲得した丸佳浩は広島時代に不動の3番だった。一方、坂本勇人は昨季リーグ2位の打率3割4分5厘をマークしたが、打順別で見ると1番で93試合、3番で16試合先発出場した。テレビ関係者は「坂本は1番か3番、丸は3番という打順が定位置でした。ただ今年は違います。原監督が初回から2点を奪う攻撃的野球を打ち出し、2番打者にはチャンスを拡大する役割を求めています。坂本を2番に据えることを明言しましたが、1年通じて機能するかが注目ですね」と語る。

 キャンプ、オープン戦当初は2番・丸、3番・坂本の並びだった。しかし、3月10日の阪神戦(甲子園)以来、2番・坂本、3番・丸に。原監督はこれがベストと判断したのだろう、広島との開幕戦(3月29日)でもこの布陣で臨んだ。前出のテレビ関係者は「坂本は内角のさばき方が天才的なプルヒッター。右打ちや小技という従来の2番打者の型で考えたときには全くタイプが違います。ただ、原監督が求めているのは新しい2番打者像です。坂本は今までの打撃を貫けばいいと。1番の吉川尚輝の後に坂本、丸と3番打者が2人いるイメージですね」と分析する。原監督は監督就任初年度の02年も前年まで不動の1番だった仁志敏久でなく、清水隆行を新トップバッターに抜擢。清水は1番に定着し、191安打で最多安打のタイトルを獲得。大胆なテコ入れが成功し、チームも日本一に輝いた。4年間リーグ優勝から遠ざかっているチーム状況でチームの活性化を考えた上での「2番・坂本」かもしれない。

 相手にとっては3番に丸が控えているため、2番の坂本と勝負せざるを得ない。初回から気が抜けないだろう。一方で2番という打順は打線の中で最も難しいとされる。「自由にやっていいと言われても走者を進める打撃をしたほうがいいかなといろいろ考えてしまう」と漏らす選手もいた。坂本は2番でのプロ通算成績は33試合で打率1割7分8厘。新しい打順で自分の打撃を貫けるか。チームの命運を握りそうだ。(春日哲也)

週刊朝日  2019年4月12日号