ミュージカルは初挑戦だが、20年間、歌手としての彼女の主戦場はライブだった。本番前はかなり緊張するけれど、ステージの上に立って、目の前にいる人たちとエネルギーが混ざっていくようなライブ独特の感覚は、人一倍経験している。

「昔からずっと、“歌でつながれる人になりたい”って思っていました。民族とか言語とか関係なく、エネルギーを手渡し合えるのが音楽。だから私の夢は、音楽でいろんなものをつなぐ架け橋になることです。普段から妄想が大好きなんですけど、一番ゾクゾクするのが、全然言葉の通じない国でライブをやっていて、その国の人たちが、一緒に歌ってくれている、そんなシーンを思い描くとき。妄想なのに、“音楽ってすごい!”って思うんです」

(取材・文/菊地陽子)

週刊朝日  2019年3月29日号