次いで多かったのが、大学2年次半ばまでの成績で3年次以降の進学先を決める「進学振り分け制度(進振り)」。大学に入ってから志望学部を決められることに魅力を感じているようだ。理科II類の木村龍太郎さん(海城)は「薬学部や農学部など、いろいろ行けるところがいい。まだどんな分野に進むか決めていない」と話した。

 学校や予備校での周囲の東大志向に触発された人もいる。文科I類の中村拓真さんは「多くの友人が目指していたから」。出身校の聖光学院は、平成30年間で東大合格者数をぐんぐん伸ばしてきた名門校。今年は前年比21人増の大躍進で、93人が合格した。

 独自の“こだわり”も垣間見えた。文科III類の高山健太朗さん(小石川中教)は「区立小学校、都立中高と来ていたので、廉価の最高を極めたかった」と、公立出身のプライドを貫いた。また、「関東に出てきたかったから」という関西勢がいれば、「家が近いから」という地元合格者もいた。

◆好きな著名人は?

 好きな著名人では2人が票を集めた。F判定から現役合格で文科III類に入学した経験をもつ堀江貴文氏が8票。自身も今回、AbemaTVの番組企画で再び東大を受験したが、残念ながら不合格に。次いで、東大法学部卒で「いつやるか? 今でしょ!」のフレーズでおなじみの林修氏が7票獲得。大手予備校の東進ハイスクールの講師を務めていることもあり、受験生にとっては身近な存在だ。

 総勢119の人名とグループ名が挙がったが、理科II類の小野悠貴さん(栄光学園)は、堀江氏とともに東大受験に挑戦した芸人・TAWASHIさんと記入。「受験勉強中はTAWASHIさんの姿勢に楽しませてもらった」という。歴史好きで古風さに魅力を感じるという文科I類の加藤拓哉さん(栄光学園)は「股旅演歌、昭和歌謡曲が好きで、橋幸夫が好き」。

 文豪の夏目漱石や森鴎外、クイズ番組「東大王」にも出演する現役女子東大生の鈴木光さん、一昨年のプロ野球ドラフト会議で日本ハムから7位指名された宮台康平投手など、先輩たちの名も目立った。

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