がん患者の入院から社会復帰までかかわる麻酔科医が「手術室の内科医」と呼ばれるワケ (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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がん患者の入院から社会復帰までかかわる麻酔科医が「手術室の内科医」と呼ばれるワケ

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中寺暁子週刊朝日#ヘルス
順天堂大学順天堂医院麻酔科・ペインクリニック教授 稲田英一医師(撮影/写真部・加藤夏子)

順天堂大学順天堂医院麻酔科・ペインクリニック教授 稲田英一医師(撮影/写真部・加藤夏子)

「治療方法は患者さんが納得したうえで選択していくものですが、それは麻酔方法も同じ。麻酔には全身麻酔のほか、硬膜外麻酔をはじめとする区域麻酔など、さまざまな方法があります。それぞれの利点、難点をお伝えし、患者さんの希望に沿って決めていくのが基本です」(同)

■コミュニケーションと経験で外科医との信頼関係を築く

 手術中は外科医が手術に集中できるように麻酔科医が全身管理するが、そのためには外科医との信頼関係が必要になる。常勤の麻酔科医がいると日頃からコミュニケーションをとりやすく、信頼関係を築きやすい。

「術後に患者さんが痛がっていない、全身状態が安定している、など外科医が確認することで、麻酔科医への信頼度も上がっていくと思います。さらに経験を積むと、『この外科医は患者さんの血圧や心拍数がどの程度だと手術しやすいか』といったこともわかってきます」(同)

 術後も麻酔科医の役割は、面談や痛みの管理にとどまらない。術後に発症しやすい感染症や呼吸不全、肺血栓塞栓症の予防、手術のために中断した薬の服用を再開する際の見極め、せん妄への対処なども主治医やほかのスタッフと連携して進めていく。「術後遷延痛」といって手術後2カ月以上経ってから痛みが持続することがあり、予防や対策も重要だ。 がん治療の場合はさらに緩和ケアにも関わる。

「がん患者さんの全入院期間から社会復帰まで、麻酔科医が関わる期間は長いのです」(同)

◯順天堂大学順天堂医院麻酔科・ペインクリニック教授
稲田英一医師

(文/中寺暁子)

※週刊朝日ムック「手術数でわかるいい病院2019」から


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