「薄くするには配合や加工、品質検査を向上させないといけません。単に薄い膜を成型するだけではなく、不備がないか検証できることが必要です。そのバランスを取りながら技術革新ができました」

 中国メーカーの担当者も称賛する。

「中国でもコンドームメーカーは多いが、厚さ0.01ミリは実現できていません。日本製は人気が高く、偽物もあるほどです」

 海外から評価されても、国内市場は安泰ではない。少子高齢化やセックスレスが進み、経営環境は厳しい。各社は新しい商品やサービスの開発に取り組む。

 相模ゴムでは、「俺用コンドーム『MY CON!(マイコン)』」のサービスがある。ネットで厚さや形状などを選び、オリジナルを作ることができる。

 オカモトには装着の際にリボンを使用する、「ひっぱリボン」というユニークな商品がある。勃起力が弱まって通常の商品では装着しにくい高齢者らから、好評だという。

 コンドームは避妊だけでなく性病の予防にも効果がある。

「恥ずかしい、買いづらいという風潮がまだあります。日用品として買いやすい環境を考えていくのもメーカーの役割です」(相模ゴムの広報担当者)

 統計不正問題は腹立たしいが、国産コンドームを再評価するきっかけにはなるかもしれない。(本誌・大塚淳史)

週刊朝日  2019年2月22日号