ミッツ・マングローブ「時代を自ら打ち切った嵐の凄み」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
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ミッツ・マングローブ「時代を自ら打ち切った嵐の凄み」

連載「アイドルを性せ!」

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ミッツ・マングローブ週刊朝日#ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

活動休止を受けたファンの絵馬 (c)朝日新聞社

活動休止を受けたファンの絵馬 (c)朝日新聞社

 ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの本誌連載「アイドルを性(さが)せ」。今回は、「嵐」について。

*  *  *
 驚きとともに、「最後の最後までしっかりしているなぁ、嵐は」というのが正直な感想です。嫌味でもあてつけでも何でもなく。アイドルがこんなにもしっかりする必要があるかってくらい、彼らは常に真摯で思慮深くそして理路整然と存在してきました。まさに2000年代以降の日本社会に適応したアイドル像を一手に担ってきたグループと言えるでしょう。

 嵐と仕事をする時にはいつも独特な緊張感があります。彼らの番組が作り出す雰囲気を乱すことは、イコール世間やお茶の間の安心感や幸福感を壊すことだという緊張感。それでも私は嵐との仕事が好きです。アイドル特有の危うさや不健全さを極力見せず、まるでクラシック音楽のように粛々とその務めをまっとうする彼らの姿は、むしろ他のどのアイドルよりも張り詰めた儚さと凄みに溢れており、同じ空間にいるだけで『時代の瞬間性』をビシビシ感じます。かと言って近寄り難い孤高なオーラ満載なわけでもなく、時折目が合うと少しくたびれた顔をカッコつけずに堂々と見せてくる人間らしさもあったりする。そして何より、私のようなキワモノが出てきても、彼らは過剰に動じたり、変に紳士的な接し方をしない。至ってニュートラル。要はキワモノとしてのハードルを周りと同じ高さに設定してくれるのです。結果、私のキワモノ度合いは自然と引き立ち、嵐の番組ではいつも以上に良いパフォーマンスが出来るという印象があります。これはバラエティにおいて非常に珍しいケースですが、この『嵐的スタンス』こそ、嵐が築き上げてきた『現代的アイドル像』の肝なのではないかと思うのです。


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