「乳がん」治療法が進化中 将来は手術回避の可能性も (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「乳がん」治療法が進化中 将来は手術回避の可能性も

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伊波達也週刊朝日#がん#ヘルス
国立がん研究センター東病院 乳腺・腫瘍内科医長・向井博文医師

国立がん研究センター東病院 乳腺・腫瘍内科医長・向井博文医師

乳がん データ (週刊朝日 2019年1月25日号より)

乳がん データ (週刊朝日 2019年1月25日号より)

乳がんのサブタイプと薬物療法 (週刊朝日 2019年1月25日号より)

乳がんのサブタイプと薬物療法 (週刊朝日 2019年1月25日号より)

 BRCA1、2遺伝子変異を調べて、変異がある場合にはリムパーザによる保険治療が可能となった。

「ただし、トリプルネガティブ型であることが判明しても、手術ができた早期の症例については、今のところ保険でBRCA1、2変異の有無を調べることはできません。進行再発転移乳がんの場合は、BRCA1、2の変異を調べることは今後必要になるでしょう。しかし、医療コストの面や遺伝カウンセリングを経ずに患者さんとそのご家族に遺伝性乳がんの可能性が伝わるという問題もあるため、再発したすべての患者さんに実施すべきかどうかは賛否があり、慎重に考えるべきだと思います」(同)

 最近、進行再発転移乳がんのトリプルネガティブ型では、免疫チェックポイント阻害剤の一つであるテセントリク(一般名:アテゾリズマブ)という薬と、抗がん剤を併用することで生存期間が改善したという試験結果が欧州臨床腫瘍学会(ESMO2018)で報告された。また、免疫チェックポイント阻害剤のキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)と、抗がん剤を併用した場合の有効性と安全性を調べる国際的な臨床試験も現在進行中だ。昨年大きな話題となったオプジーボ(一般名:ニボルマブ)もこの免疫チェックポイント阻害剤の一つだ。

「これらの薬の有効性の評価についてはさらなる検証が必要ですが、今後トリプルネガティブ型に対する治療の選択肢はさらに増えていくでしょう」(同)

 乳がん患者全体の7~8割を占めるルミナール型については、通常ホルモン療法と抗がん剤治療が併用されてきた。しかし、2018年6月に、オンコタイプDXという検査で21の遺伝子を調べることで、今まで抗がん剤治療も必要とされてきた中間再発スコアの場合であっても、ホルモン受容体が陽性、HER2遺伝子変異とリンパ節転移が陰性である場合は、ホルモン療法のみの治療でいいという臨床試験の結果が米国臨床腫瘍学会(ASCO2018)で報告された。


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