早稲田大学 (c)朝日新聞社
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グローバル5 (週刊朝日 2019年1月4-11日合併号より)
グローバル5 (週刊朝日 2019年1月4-11日合併号より)

「早慶」「MARCH」「関関同立」といった聞き慣れた、主に偏差値による大学のグループ分けに変化が起きている。

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 国際やグローバルがつく学部の新設が相次いでいるが、リーダー的存在なのが「グローバル5」(G5)だ。2010年に4大学で協定を締結。2年後に上智大が加わり、担当者レベルでの情報交換や研修会を開いている。

 G5で最も歴史があるのが上智大の国際教養学部。「1949年に在日米軍関係者などに向けて開設した国際部が前身です。すべての授業を英語で行う学部としては一番古いです」(中野晃一学部長)

 入試合格者のTOEFLiBTスコアは留学レベル。帰国子女、留学体験者ら海外経験を持つ学生が多数派だ。帰国生が多いため、留学するのは約15%。「正規留学生が165人、短期留学生は300人以上いて、海外の大学同様レベルの高い授業なので、帰国生は満足しているようです。海外経験がない学生には交換留学を勧めています」(同)

 1年間の留学が必修なのが04年新設の国際教養大(公立、秋田)と早稲田大の国際教養学部だ。両大学ともに入学後に英語のテストの点数でクラス分けをし、講義はすべて英語で行う。

 国際教養大では1年次にキャンパス内の寮に入り、留学生と生活する。「留学先での勉強についていけるよう、厳しい留学要件を課しているため、出発は2年次の冬から3年次の秋が多いです」(磯貝健副学長)

 一方、早稲田大国際教養学部の日本人学生は2年後期から留学する。「留学前の英語力や学業成績などで留学先が決まります。イエール大、オックスフォード大などの交換留学は競争率が高いです」(池島大策学部長)

 同学部の大きな特徴が、英語、母国語以外にもうひとつ言語を学ぶことだ。学べる言語は28もある。

「フランス語、スペイン語、中国語、朝鮮語は、当該国の文化、歴史、政治、経済も学べ、留学先に選ぶこともできます」(同)

 1953年に日本初のリベラルアーツカレッジとして開学した国際基督教大は、約3割の授業を外国語で開講。「卒業までに約6割の学生が留学を経験します」(PRオフィス)

 二つの学部を持つ立命館アジア太平洋大(大分)は、講義の約9割を日英2言語で開講する。学生の約半数が約90カ国・地域の留学生。国際経営学部では世界水準の教育でビジネスに必要な知識を学ぶ。アジア太平洋学部は環境・開発、観光学、国際関係、文化・社会・メディアの4分野を横断的に学ぶ。

 どの大学も抜群の就職率を誇る。難関大だがチャレンジする価値はある。(庄村敦子、本誌・吉崎洋夫)

週刊朝日  2019年1月4日号‐11日合併号より抜粋