前国会での質問、議員立法、質問主意書がゼロだった議員(週刊朝日2018年11月23日号から)>>参議院はこちら
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前国会での質問、議員立法、質問主意書がゼロだった議員(週刊朝日2018年11月23日号から)
臨時国会が始まり審議がテレビ中継された。外国人労働者の受け入れなど課題は山積みだが、論戦はぱっとしない。そもそも国会議員は仕事をしているのか。質問などをしていない“ざんねん”な国会議員はその数72人。先生方には言い分もあるようだが、有権者はどう受け止めるのか。
国会議員の仕事はたくさんあるが、予算や法律案を審議し、政府の問題点をチェックするのが大きな役目だ。独自に議員を評価しているNPO法人「万年野党」(宮内義彦理事長)の協力で、前の通常国会(1~7月)における次の3項目の回数を整理した。
一つ目は「質問」。「法律案の審議の主な流れ」を見てもわかるように、国会では委員会や本会議で質問をすることができる。二つ目は「議員立法」。法案の多くは政府(内閣)が提出するが、議員もできる。提出には衆院は20人以上、参院は10人以上の賛成が必要だ(予算関連法案の場合は衆院50人以上、参院20人以上)。三つ目は「質問主意書」。なじみの薄い言葉だが、国政調査権の重要な手段だ。
この三つの回数がいずれもゼロという「トリプルゼロ」の議員が衆参合わせて72人もいた。この人数は政府側の大臣や副大臣、委員会を運営する常任・特別委員長、国会対策委員長らは除いたものだ。
与党の自民党が9割近くを占め、石破茂らベテランから小泉進次郎ら若手まで幅広い。野党では小沢一郎や細野豪志らがいる。
トリプルゼロが続いている回数も調べた。万年野党は2013年から集計しており、9回連続が最多となる。トリプルゼロが続いている議員も目立つ。
ちなみに、前国会における議員1人あたりの最多の質問回数は55、議員立法は23、質問主意書は117だった。回数は議員によって差が大きい。
万年野党の理事で経済ジャーナリストの磯山友幸氏は、3項目で評価する狙いをこう説明する。
「これまで議員の活動を評価する指標は少なく、有権者にとって仕事ぶりが見えてこなかった。質問や議員立法などを数量化することで、それがわかるようにした。有権者一人ひとりが考えるきっかけにしてほしい」