御料理 おみの/京料理の名店「たん熊北店」出身の主人が、酒肴や焼き物、煮物、蒸し物など一品一品、お客の好みに合わせて旬の食材でもてなす割烹料理店(撮影/東川哲也・写真部)
御料理 おみの/京料理の名店「たん熊北店」出身の主人が、酒肴や焼き物、煮物、蒸し物など一品一品、お客の好みに合わせて旬の食材でもてなす割烹料理店(撮影/東川哲也・写真部)
「このわたの茶碗蒸し」(1200円)は、茶碗蒸しにナマコの腸の塩辛“このわた”をのせ、葛あんのとろみを加えた。なめらかな茶碗蒸しと塩気のあるこのわたが相性良く、振り柚子がさわやかに香る。11月頃からすっぽんやふぐ料理が楽しめる。税別。(撮影/東川哲也・写真部)
「このわたの茶碗蒸し」(1200円)は、茶碗蒸しにナマコの腸の塩辛“このわた”をのせ、葛あんのとろみを加えた。なめらかな茶碗蒸しと塩気のあるこのわたが相性良く、振り柚子がさわやかに香る。11月頃からすっぽんやふぐ料理が楽しめる。税別。(撮影/東川哲也・写真部)

 著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回は女優・高橋惠子さんの「御料理 おみの」の「このわたの茶碗蒸し」だ。

【写真】「このわたの茶碗蒸し」はこちら

*  *  *

 仕事の合間にほっとひと息つくのに、主人と食事に出かけるのがこちら。もう20年ぐらいのお付き合いになるかしら。関西に出かけたとき、和食を食べる機会が多いのですが、こちらの大将は京都のたんご出身なので、東京に居ながら関西の名店の味が楽しめるのは嬉しいかぎり。しかも、家庭的な雰囲気なので気に入っています。

 いつもカウンターに座って、その日のおすすめの食材を聞きながら、少しずついろいろ、季節のおいしいものをいただきます。なかでも好物が「このわたの茶碗蒸し」。最初に食べたときは驚きましたね。茶碗蒸しと磯の風味がするこのわたが絶妙に口の中でとけあって。まさにお酒の肴にぴったり。普段はあまり飲まない私もつい日本酒が欲しくなっちゃう(笑)。

 こちらのお料理は、ひとつひとつが丁寧に作られていて、大将の熱意が伝わってくる。いつも帰るときには、幸せな気分になるんです。これから寒くなってくると、すっぽん鍋もおすすめ。体が温まりますよ。

(取材・文/今中るみこ)

「御料理 おみの」東京都杉並区西荻南3−7−6/営業時間:11:30~14:00、17:30~21:30L.O.(昼は前日まで要予約)/定休日:月、第1・第3火

※週刊朝日2018年11月2日号