【買い物】


 近年、問題となっているのがシニアの買い物。地元のスーパーが撤退したり、自動車の運転免許を返納したりして、「買い物弱者」になるのだ。2015年の経済産業省の調査によると、60歳以上の買い物弱者は、全国で700万人もいるとされている。

 そこで利用したいのが、買い物の代行サービスだ。「クラウドケア」(東京都青梅市)では、1カ所500円(税、交通費別)から提供。スーパーやコンビニなどへの食料品、日用品の買い物に対応している。

「これまで元気でも急に病気で動けなくなる人もいる。歩くのは難しくなったが、買い物は自分でしたいというニーズもあり、そういう場合は、付き添いのサービスも提供しています」(桐山典悦取締役COO)

 買い物に関するサービスの中でもシニアに大人気なのが家電の購入代行だ。家電がどれも高機能化している今、家電量販店の店員から説明を受けても「4Kテレビ」「アンドロイドTV」などの文言が出てくると、もうお手上げ、という高齢者も少なくないからだ。

「便利屋 お助けサービス」(東京都八王子市)の宮島小太郎代表は「高齢者の中には家電購入に不安を抱く人も珍しくない」という。

 例えば、都内の80代の女性は、長年使っていたブラウン管テレビが壊れたため、最初は一人で買いに行った。20インチの小さいテレビが買いたかったが、家電量販店の店員に40インチのテレビを買わされそうになったため、同社の同行サービスを利用。店員の説明を代行業者がわかりやすく丁寧に言い換え、納得してテレビを買うことができたという。

「大きさや必要な機能、予算を事前に確認した上で量販店に行きます。リピーターの方も多いです」(宮島代表)

 同社の場合、サービス料は1時間3千円。簡単な作業であれば、設置までしてくれるそうだ。

【趣味】
 いくつになっても趣味の活動をしたいけれど、何かあったときに一人では心配……。そんな悩みを解決するサービスもある。話し相手の代行や趣味の同行サービスだ。

 都内で息子と暮らす86歳の男性が利用するのが、ダスキン(大阪府)が運営する「ダスキン ライフケア」。散歩の付き添いと話し相手の代行を頼んでいる。散歩が大好きだが、足腰も弱り、視野も狭くなり、転倒のリスクも出てきたため、誰かに同行してほしかったという。

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