北海道どさんこプラザは、次々と買い物客が訪れていた(9月11日、緒方麦撮影)
北海道どさんこプラザは、次々と買い物客が訪れていた(9月11日、緒方麦撮影)

 西日本豪雨、台風21号被害、北海道での地震など、平成最後の今年は災害が相次ぐ。支援のためにボランティアなどへ行く人もいるが、遠くて難しい人も多いはず。そんな人は被災地の産品を買って、応援する方法がある。こうした需要で、被災した道県のアンテナショップは売り上げが伸びている。

 東京都のJR有楽町駅そばにある「北海道どさんこプラザ 有楽町店」。普段は、夕張メロン果汁のソフトクリームなどを買う人でにぎわうが、6日は北海道での地震の影響で臨時休業した。当然、店舗の被害はなかったが、運営会社「札幌丸井三越」の本社(札幌市)が停電に。本社とオンラインでつながる店のレジが機能しなくなり、6日朝10時に休業を決めた。

 川合洋平店長は「すでに調理していたコロッケや、催事用に用意していた弁当を廃棄せざるをえませんでした」と振り返る。

 8日に営業を再開すると、買い物客が大勢訪れ、「大変ね」「がんばってね」と店員に声をかけてくれた。土曜日だった8日は前年の同時期の土曜日と比べ売り上げが30%増に。翌9日も15%増だった。

 同店でチーズやヨーグルトなど約10点を買った40代の主婦は「ソフトクリームは何度か食べたことあるけど、買い物は今日が初めて。現地で牛乳を捨てているというニュースを見て、『少しでも消費で貢献したい』と思って来ました」と話した。

 同店は食品を中心に約1200点の商品を扱う。地震後、入荷が一時的に止まったが、12日に正常化。14日現在、ジンギスカンや海産品、乳製品などの冷蔵・冷凍品はまだ入荷が少ないが、常温商品はほぼ通常通りに戻った。

 7月の西日本豪雨の被災地岡山県は、JR新橋駅そばに「とっとり・おかやま新橋館」を持つ。同館によると、7月の売り上げは例年より伸びたという。豪雨被害から10日間ほどは、商品の入荷がストップしたが休業には至らなかった。

 被害を伝える報道が繰り返されるのに伴い、「普段見かける人とは違うお客さんがどんどん増えた。『お店はどこにあるの?』という問い合わせの電話も本当に多かった」(瀬尾泰弘・物品販売フロア店長)

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