ブラジルで親しまれているのがミナスチーズ。かまぼこのような食感があり、焼いてしょうゆをかけて食べる人もいる。

 プロ向けのチーズ検定などをしているチーズプロフェッショナル協会によると、これまでは夏にチーズの粘着性が敬遠されることもあった。ここ数年はいろいろな料理が登場し、暑い時期でも楽しめるようになっている。

「塩分の多い青カビのチーズは夏でもよく売れます。塩加減が夏場に向いているのかもしれません。最近はモッツァレラなど、さっぱりと食べられるものも売れています。中でも『ブッラータ』というフレッシュタイプの人気が高まっています」(協会の担当者)

 日本乳業協会によると、チーズを100グラムつくるのに牛乳が約1リットル必要だ。栄養分が濃縮され、たんぱく質やカルシウム、ビタミンAやB2などが豊富。栄養補給にはもってこいの食材なのだ。

 チーズの消費量は全体的に増えている。農林水産省によると、昨年度の総消費量は前年度に比べ5.3%伸びて33.8万トン。モッツァレラやカマンベールなど、乳から水分を減らして固めたナチュラルチーズが9.1%増と全体を引っ張った。

 フランスなどチーズをよく食べる国に比べ、日本の消費量はまだ10分の1程度。食生活の多様化とともに消費量はさらに伸びていきそうだ。(本誌・浅井秀樹)

※週刊朝日オンライン限定記事