「元気な若者であれば、飲めるものなら水でもお茶でも基本的になんでもいいです。飲水にも、熱中症になる前に飲む予防のパターンと、熱中症になった後に飲む治療のパターンがあります。治療のパターンでの飲水は経口補水液が適していますが、予防でしたら、自分で飲みやすいものを飲んでください」(清水医師)

 熱中症にはスポーツドリンクや経口補水液が適するといったイメージがありますが、飲みやすければ基本的になんでもいいとのこと。ただ汗を大量にかいた場合は塩分が失われるので、塩分もしっかり補給する必要があります。

「ただ、よく言われているようにアルコールはおすすめしません。アルコールは1リットル飲んだ場合、飲んだ約1.3倍の量が尿として排出されてしまい、脱水の状態になってしまいます。アルコールを飲んだらそれ以上にほかのものを飲まないといけないんです」(同)

 アルコールのほかに、カフェインも利尿作用があります。音楽を聴きながら外で飲むビールは格別ですし、眠気覚ましでコーヒーを飲む場合もありますが、自分の体調と相談しながら、飲み過ぎて脱水にならないように注意します。飲む量についてはどうでしょう。

「水分補給の量は1時間に500cc、ペットボトル1本は飲んだほうがいいでしょう。特に大事なのは飲むタイミング。汗をかいてのどが渇いてから飲むのではなく、汗やのどの渇きに関係なく定期的に飲むのがよいです。推奨されるのは30分に250ccくらいです。人が一口で飲む量は20~30ccと言われています。9口飲めば270ccくらいになります。からだが小さければ5口くらいでもいいので、『ごっくん(5と9)』を合言葉に覚えておくといいでしょう」(同)

(文/濱田ももこ)