フロントが体面上、これ以上同じ手術を受けさせたくないと考えることは想像に難くない。さらに、現場も、今季の攻撃陣には左打者が少ないため、打者としてだけでも大谷の復帰を望むような状況だ。
「大谷の離脱以降、チームは8勝14敗と負けが込み、プレーオフ進出の可能性を消さないためにも、これ以上負けられないのです」(ベテラン記者)
今季のチームの成績だけでなく、早期復帰が大谷のためになるのか。
「この話をわかりにくくしているのは笑顔で復帰した大谷のキャラクターです」というのは日本ハム時代の彼を取材した記者の声だ。
「大谷は純粋に野球がしたい、試合に出たいという選手。これがダルビッシュ(有)なら、野球はビジネスで身体は資本と考え、早期復帰と手術でどちらが将来稼げるかシビアに計算する(笑)。大谷の危うさを、冷静に判断する人がいない」
それどころかエンゼルスは、そんな大谷のメンタリティーを利用して異様に早く復帰させてしまったように思えてならない。
「大谷の離脱以降、チームは8勝14敗と負けが込み、プレーオフ進出の可能性を消さないためにも、これ以上負けられないのです」(ベテラン記者)
(黒田朔)
※週刊朝日 2018年7月20日号