宇多田ヒカルは半分、青い。新作『初恋』はデビュー作『First Love』とどう違う? (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
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宇多田ヒカルは半分、青い。新作『初恋』はデビュー作『First Love』とどう違う?

連載「知新音故」

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小倉エージ週刊朝日#小倉エージ#知新音故

1983年に米国で生まれた宇多田ヒカル。11月には約12年ぶりのツアーも予定している

1983年に米国で生まれた宇多田ヒカル。11月には約12年ぶりのツアーも予定している

宇多田ヒカルの7作目のアルバム『初恋』(EPICレコードジャパン ESCL―5076)

宇多田ヒカルの7作目のアルバム『初恋』(EPICレコードジャパン ESCL―5076)

 今年デビュー20周年を迎える宇多田ヒカルの7枚目のオリジナル・アルバム『初恋』が発売1週目で20万枚超の売り上げを記録し、アルバム・チャートで初登場1位となった。前作『Fantome』から1年9カ月。どれだけ多くのファンが新作の登場を待ちわびていたかを物語る。

【アルバム『初恋』のジャケットはこちら】

 それにしても『初恋』というタイトルには意表を突かれた。日本だけで870万枚を売り上げたデビュー・アルバム『First Love』と意味は同じ。それを日本語に置き換えただけではないか。

「自分でも象徴的なアルバムタイトルになったと思います」と彼女は語る。

「むしろデビューの頃から今まで、歌っている主題は基本的に変わっていないと思っていて。そうした思いの中でかつての『First Love』から今回の『初恋』という対比が自分の中でしっくりときて……」

 アルバムの幕開けを飾るのは、今年4月に先行配信曲として発表された「Play A Love Song」。炭酸飲料のCM曲で、宇多田本人が雪原を無邪気に駆け巡る映像が話題になった。シンプルなフレーズを繰り返すピアノのリフ、ドラムスのキック、パーカッションが奏でる軽快なリズム、ゴスペル・コーラスに心が躍る。

 冬の終わりと春の訪れをモチーフにしている。亡き母に捧げられ、本人が「喪に服しているような緊張感があった」と評する前作『Fantome』とは、印象が大きく違う。

「長い冬が終わる瞬間というのは、それが良かろうが悪かろうが“全てはいずれ終わる”という考えに繋がっていて、“諸行無常”という仏教の言葉があるけれど、それを理解して受け入れることは、そんなに簡単なことじゃないよね、っていう。今回はそういう思いが詰まったアルバム」

 続く「あなた」は、映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』の主題歌。宇多田も今や1児の母。「もし私が今死んでしまったら、この世に思い残すことはなんだろう」という“母親目線”の歌だ。テレビ番組で作家又吉直樹と対談した際、「予測のつかない日々を送った少女時代の体験が反映されている」と語っていたのも興味深い。


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