是枝監督が『万引き家族』の安藤サクラ起用に「賭けでした」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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是枝監督が『万引き家族』の安藤サクラ起用に「賭けでした」

菊地陽子週刊朝日
是枝裕和(これえだ・ひろかず)/1962年生まれ。東京都出身。早稲田大学卒業後、テレビマンユニオンに参加。2014年に独立、制作者集団「分福」を立ち上げる。映画監督デビューは95年、「幻の光」。自ら書き下ろした小説『万引き家族』が、宝島社から発売中(撮影/写真部・小原雄輝)

是枝裕和(これえだ・ひろかず)/1962年生まれ。東京都出身。早稲田大学卒業後、テレビマンユニオンに参加。2014年に独立、制作者集団「分福」を立ち上げる。映画監督デビューは95年、「幻の光」。自ら書き下ろした小説『万引き家族』が、宝島社から発売中(撮影/写真部・小原雄輝)

 年金の不正受給。子供に万引きさせる親。映画に登場するのは、一般的に見れば“ダメな大人”ばかり。

「あるとき、子供に万引きさせた親が捕まったニュースを見たんだけど、そこは親子で釣りが好きで、釣り竿だけ換金せずにいたら足がついたんだって。やってることはもちろん悪いけれど、いい話だなと思った(笑)。今は、犯罪がニュースになったら、断罪されて終わり。人の不幸というのが、社会のせいじゃなく、自己責任で切り捨てられて、誰もその先のことを想像しなくなっている。でも、そうせざるを得ない状況があったんじゃないかと僕は思うんです」

 凱旋会見で、「受賞理由を自身で分析すると?」と訊かれたとき、審査委員長のケイト・ブランシェットさんが、「安藤サクラさんの泣きの芝居が素晴らしかった。これから私たち俳優が泣くシーンがあったら、彼女の真似をしたと思って」と言ったことを挙げ、「芝居で“虜”にしたのだと思います」と続けた。家族の未来を、涙の意味を、想像したくなる映画である。(取材・文/菊地陽子)

週刊朝日 2018年6月15日号


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