機構は再委託について、昨年12月に内部通報を受け1月6日には特別監査で把握したが、「ほかの業者がすぐに見つからなかった」として2月5日まで作業を続けさせた。監督する厚生労働省には1月9日に報告し、加藤勝信厚生労働相も1月10日には把握していた。加藤厚労相は2カ月以上公表しなかった理由について、「全体の解明がほぼ終わった3月20日の段階で、年金機構の理事長を呼んで公表に関する対応を指示した」としている。

 機構は入力ミスや漏れがあった分については修正し、「おわび状」を送ったが、未提出者への対応には手間取っている。4月末までの提出を呼びかけていたが、回収状況はまだ公表していない。過少支給されたことに気づかないまま、すでに亡くなった人もいるとみられる。

 問題を検証する調査委員会はできたが、結果の公表は6月になりそうで、関係者の処分もこれからだ。(本誌年金取材班)

週刊朝日 2018年5月25日号より抜粋