日本人ではAGA治療の主流はやはり外用薬と内服薬だという。薬剤の効き方には個人差があるが、日本人男性の場合、増毛効果が出やすいのは内服薬だという。ローションタイプの外用薬(ミノキシジル、商品名リアップ)を併用する場合もある。

■日本人男性の前頭部には「デュタステリド」

 現在、世界中で使われている内服薬といえばフィナステリド(商品名フィナステリド、プロペシアなど)だ。2016年に登場した新しい内服薬デュタステリド(商品名ザガーロ)は、日本より韓国で先に発売され、現在はアジア圏を中心に台湾や南米などで発売されている。欧米では未発売だ。これは欧米人の髪質に合わないためではないかと乾医師は推測する。

「日本人男性の場合、デュタステリドはフィナステリドに比べて前頭部の毛髪に効き目が出やすい印象がありますね」

 フィナステリドは性機能障害の副作用も指摘されているが、デュタステリドは販売開始からまだ日が浅いため、副作用などの長期的な検討もこれからだ。

 そこに近年、赤色LEDによる光治療が加わった。乾医師らの共同研究による日本発の最新治療だ。赤色LEDは安全で副作用がなく、他の治療と併用可能という。

「高齢者で不整脈などの副作用でこれまで治療薬が使えなかった人にも治療の幅が広がっています。自宅で使用できる機器も販売されていますので、皮膚科医にご相談ください」(乾医師)