早い人は10代後半から始まるというAGAの症状。徐々に短い抜け毛が増えるといっても、正常な人でも平均1日80~100本の毛が抜ける。それが120本に増えたところでほとんど自覚できないという。写真を見て気づく、または周囲に言われる、雨粒が頭皮に当たって気づく、などで薄毛を意識し始める人が多いのでは、と乾医師は話す。

■薄毛のサインは、ずばり「フケ」 

 では、薄毛のサインは全くないのか。乾医師によれば、「フケ」がサインになる場合があるという。

「AGAの約3割に脂漏性皮膚炎を合併します。頭皮の皮脂が増え、大量のフケを発生させるので、フケは一つの予兆ともいえるかもしれません」
 
 AGA自体では頭皮に皮脂やフケが出ることはない。あくまで脂漏性皮膚炎による症状だ。脂漏性皮膚炎は抗真菌薬(ケトコナゾール)により治療できる。

 AGAはあくまでも生理的な現象であり、病気として扱われないため、医療機関でも健康保険は適用されないが、外用薬や内服薬、赤色LEDなどの光治療、自毛植毛など多くの治療法がある。日本人は内服薬で治療効果があがる人が多いという。気になる症状があれば、まずは皮膚科で気軽に医師に相談してみてはいかがだろうか。

(文・石川美香子)