例えば、老齢基礎年金の見込額が「60万円」の場合、現行制度で68歳まで繰り下げるのなら、年金額は「60万円×125.2%=75万1200円」だし、70歳超まで拡大されたとして0.8%の増額率で73歳まで繰り下げたとすると、「60万円×170.8%=102万4800円」だ。

 老齢基礎年金、65歳以降の老齢厚生年金ともに繰り下げができる。両方一緒でもいいし、一方だけ繰り下げることもできる。

 冒頭で井戸さんが挙げている「夫が死亡した後の年金」を試算するには、夫婦両方の「定期便」が必要になる。夫の死亡後に出る遺族厚生年金は、夫の老齢厚生年金額に4分の3をかければよい。それに自分の老齢基礎年金額を足せば、夫死亡後に妻がもらえる年金額になる。そのうえで、繰り下げると自分の老齢基礎年金がどうなるかを、さまざまにシミュレーションしてみるとよい。(本誌・首藤由之)

【現行制度】
65歳(原則)/100.0%
66歳/108.4%
66歳1カ月/109.1%
66歳2カ月/109.8%

67歳/116.8%
68歳/125.2%
69歳/133.6%
70歳/142.0%

【70歳超へ拡大した場合のシミュレーション】
(1)1カ月ごとに0.8%増額の場合 (2)1カ月ごとに0.9%増額の場合(3)1カ月ごとに1.0%増額の場合

65歳(原則)/(1)100.0% (2)─― (3)─―
70歳/(1)142.0% (2)─― (3)─―
71歳/(1)151.6% (2)152.8% (3)154.0%
72歳/(1)161.2% (2)163.6% (3)166.0%
73歳/(1)170.8% (2)174.4% (3)178.0%
74歳/(1)180.4% (2)185.2% (3)190.0%
75歳/(1)190.0% (2)196.0% (3)202.0%

週刊朝日  2018年4月13日号より抜粋