大学入試センター試験に臨む受験生ら=1月13日、東京大(c)朝日新聞社
大学入試センター試験に臨む受験生ら=1月13日、東京大(c)朝日新聞社

 今年の大学入試センター試験で、900点満点を取った受験生が出現した。受験生や予備校関係者らの間では、神がかっていると話題をさらった。東大合格者数公立トップの「日比谷高校」(東京都)の現役学生とみられる。

 東大理系志望者はセンター試験で5教科7科目を受ける。国語(200点)、地理歴史・公民1科目(100点)、数学2科目(200点)、理科2科目(計200点)、外国語(200点)の計900点満点だ。

 東大が発表した「第1段階選抜合格者の最高点・最低点及び平均点」の資料で、理科I類の志望者の最高点が「900点」だったことで、満点がいることがわかった。最難関の理科III類の最高点は893点で平均点は793点。東大受験生でも満点は極めて難しい。

 河合塾本郷校(東大専門特化校舎)の青木緑校舎長は「20年以上生徒を見てきたが満点は初めて」と驚く。

「理系で東大を目指す受験生は英語、数学、理科で満点を目指し、そして、取れます。何が神がかっているかというと国語です。理系の受験生にとっては心情を読み解く小説の問題はネック。校舎には理系の塾生が300人近くいますが、今年、国語で満点を取った人はいませんでした。国語は8割でいいとアドバイスするほど満点は狙いにくい」

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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