本人はいったいどういった学生なのか。東大の2次試験が2月25日に控えていることもあり、日比谷高は「いるかいないかも含め回答できない」との立場だ。

 知人に取材するとこう教えてくれた。

「印象としては他の生徒と変わらないごく普通の高校生。サッカー部に所属していました。常に学年トップクラスで、一目置かれる存在でした。全国模試でも1位になっていることが何度かありました。勉強が『趣味』で楽しくやっていると聞きました」

 別の知人も「満点は校内でも初めてだと、話題になっていました」などと話す。

 河合塾の青木さんは人物像についてこう分析する。

「幼いころからいろんなことに関心を持って、幅広く本を読んだり、学んだりしてきたのでしょう。人の話を素直に理解できるのだと思います。国語で満点を取れるのは、出題者の意図をくみ取って回答できる柔軟性があるように思われます」

 神がかりとは言わせない実力の持ち主のようだ。東大入試は2次試験の配点が高く、1次の結果だけでは決まらないが、予備校関係者は「合格は間違いないでしょう」と口をそろえる。将来の活躍が楽しみだ。(本誌・吉崎洋夫)

週刊朝日  2018年3月2日号

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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