2019年5月に予定されている天皇の代替わりまであと1年3カ月。引退後の両陛下の住居も、高輪皇族邸に仮住まいののち、改修工事を手掛けた東宮御所とすることが決まるなど、準備は着々と進む。雅子妃を訪ねた同じ日の午前、美智子さまは日本橋三越で開催された旭出学園工芸展に足を運んだ。知的障害のある生徒らがつくる陶器の作品の前に、「今回はお引越しが控えているので、増やせないわ」と引退後の生活に思いを馳せる様子も伝わってくる。長いつきあいのある友人らに、引退後は古式馬術の「打毬(だきゅう)などの文化を伝えていきたい」と伝統文化の伝え手としての思いを話したり、「昔のような生活をしたいので遊びにいらして」とお誘いになるなど、思い出の詰まった東宮御所での生活を楽しみにしている様子だ。

 一方で、今月23日には、皇太子さまが58歳の誕生日を迎える。新皇后となる雅子妃は、公務に出席する回数も徐々に増えている。それでも、美智子さまは皇太子妃へのフォロ―に駆けつけ、孫の眞子さまの、ご婚約内定者の小室家の金銭トラブルが報じられるなど、両陛下のご心労は絶えない。

 ある宮内庁関係者は、こうため息をもらした。

「引退まぎわになっても、ご家族のことでお悩みを抱える、両陛下が、お気の毒です」

(本誌・永井貴子)

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