野田:そうなんです。この前、北海道の上士幌町というところに行きました。ここはふるさと納税で大成功したんです。ある牧場の社長の料理好きな奥さまが手づくりされたジェラートを返礼品にしたら、すごく評判がよくて寄付が増えたんですって。それで工場をつくり、雇用が生まれ、工場を拡張し……と、ふるさと納税でもらったお金が好循環しているんです。

林:へーえ、素晴らしいです。

野田:もらったお金の使い道は自由なので、上士幌町はそれを少子化対策に集中的に使い、「子育て少子化対策夢基金」をつくって、いま国がやろうとしている無償化にいち早く着手しました。上士幌町の認定こども園に来る子どもは全員無償。お母さんたちは子どもをそこに預けて働くから、余裕ができてまた産んでくれる。ここでも好循環が生まれて、ウワサを聞いた近隣の人たちがどんどん転居してきた結果、「限界集落」並みだったのに、人口が奇跡のV字回復をしたんです。

林:山東昭子さんが「子どもを4人以上産んだ女性は国が表彰したらどうか」と発言なさってましたけど……。

野田:あれ、どう思いました?

林:ほんとに前時代的なことをおっしゃっているなと思いました。

野田:山東先生は独身でいらっしゃって、リアルに子どもとの喜怒哀楽を経験されていないので、わりと単純化しておっしゃったのかなと思いますけどね。

林:「3人目の子どもを産んだら1千万」と言う人がいて、私、あれはいいと思うんです。それを遊興費に使われないようにクーポンで渡すとか。そうしたらみんな産むと思うんですけど。

野田:クーポンとか教育費とかね。3人目を産んだらお祝い金とか助成金を出す自治体はけっこうあるんですけど、まだ額は小さいですね。

林:野田大臣は、そのほかに男女共同参画も担当しているんでしょう?

野田:それは私がどうしてもやりたかったことなんです。女性の活躍なんておまけみたいなイメージがあるから、「女性はもっともっとあたりまえにやりたいことをやっていいんだよ」というメッセージが消えないようにと思っているんです。それも無名な人が担当大臣になって言うよりも、ちょっと年季がいってるうるさそうな人が担当大臣になると、みんな動いてくれるので。

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